"しな”と言えば、”信濃”をはじめとして

どういうわけか長野県でよくみかけます。

更科、蓼科、埴科、倉科、藁科・・

 

どちらかというと東日本に多い印象ですが

他にも仁科、保科、山階、片品などがあります。

 

一般に”しな”は坂とか傾斜地につく地名だと言われています。

「しなる」という言葉がありますが、

これは「折れずに曲がる」「たわむ」などの意味なので、

これとも関係がありそうです。

 

これが本当で、

”しながわ”が目黒川の河口部の呼び名だったとすれば

カギを握るのは御殿山なのではないか・・

と、私は思っています。

 

御殿山は品川駅の西に見える高台ですが

中世に太田道灌が城を築いたことからの呼び名です。

 

おそらく”しながわ”という地名が生まれた当時から

山裾ギリギリが海岸線で、

南側を回り込むように目黒川が海に注いでいたはずです。

 

今となってはその詳しい地形はわかりませんが、

周囲より20mほど高くなっているのは確かです。

 

この山のどこかに

”しなる”ような地形があったのでは・・

そしてそこを流れる目黒川は

”しながわ”という別名で呼ばれた・・

 

そんなことを思いながら

大阪に向かう新幹線を横目に

夕焼けの”御殿山通り”に佇んでいました。

 

(品川区北品川)