仕事→帰宅→寝る
その繰り返しの毎日。
給料も全て母親に渡していたので友人と遊ぶ事すら出来ない日々が過ぎて行った。
仕事帰りに立ち寄った温泉街の公衆トイレ。
いきなり後ろから抱きつかれ個室へ連れて行かれた。
一方的ではあったが咥えられた…。
それがキッカケなのか先天性だったのか。
自分の中ではゲイの存在は新宿二丁目等の都会でしかいないと思っていた。
そして、仕事帰りに毎日公衆トイレに立ち寄る。
とはいえ田舎では出会い等は殆ど無く9割は何事も無く帰宅していた。
その1割の確率で知り合った地元のゲイ。
しかし、彼は自分と合う事を目的に
当時地元では売っていなかったゲイ雑誌を見せる事を約束していた。
だが、会う度に忘れてきたと毎回咥えられるりだけの日々が過ぎて行った。
そんな環境に嫌気が差し彼から雑誌が何処に売っているのか聞き出して彼と会う事を止めた。
聞き出した書店に行き当時売っていた
『薔薇族』と『さぶ』2冊を買った。
ずっと自分の中でモヤモヤしていた悩みが雑誌を見た事で少し和らいだ。
同性を好きになる人はもっと沢山いるんだど。
投稿欄(文通)は地方で出会いが無い自分には興味深いシステムだった。
まだ、携帯は無かった時代だったので。
自分で投稿してみたり投稿者に手紙を出したり。
しかし、やり取りするのは遠距離の人達ばかりで進展する可能性は無かった。
ゲイ雑誌の後半は色んな場所の広告でいっぱいだった。
ゲイバーや映画館や売専等…。
当時、全ての給料を家に入れていたので
ゲイバーの料金設定が分からず
入店が2000円で済む映画館に行ってみた。
自分の中では同じ状況の人と色々話してみたかったと言う目的で。
初めて行ったゲイの映画館。
しばらくは暗闇に目が慣れず壁を手探りで歩いてた。
いつの間にか自分の周りには沢山の人が群がり何も見えない状況で不安と恐怖が押し寄せてきた。
うつ向いて震えていると手を掴んで人集りから助けてくれた人がいた。
その人が初めて付き合った同性の彼氏だった。
続く…