まさか、というか案の定というか。

 

昨日の木曜日は出勤日だった。いつもであれば立ち人が出来るぐらい混むTube(地下鉄)が半分以上空いている。「妙だな~」と思いつつも、無事に会社に到着。

 

会社は通常の木曜で、デスクはほぼ埋まっていた。はずだった。

 

3時半頃、会議から自分の席に戻ろうとしたら、どうしたことかフロアーがガラガラなことに気がついた。

「え?なんかあったの?隣の部署、全然人がいないんだけど」と聞くと、HR看板部署(リクルーター)の子が「スタジオでフットボールやってるらしいよ。ビジネスだけ呼ばれてるっぽい」

弊社で言うビジネスとは所謂管理部門以外の部署である。

 

なんと!イングランド戦は5時からで、まだ3時半だけど???

他国の試合でも観るの?!

 

4時過ぎにはHRの大部分もパブへ向かった。

おかめはここのところ体調が悪く、とてもじゃないけど罵声の飛び交う所になんぞ行けっこなかった。見渡せば残っているのは数人で「女の子のお母さん」だけだった。

 

チームのチャットでも「パブの入り口で列。中に入れない。人が出たら入れるシステムらしい」「大丈夫、トムも待ったけど、すぐ入れたよ」などど、メッセージが飛び交う。やはり、会社近くのパブは激混みだ。試合が始まる前からいっぱい。終業時刻なんて誰も気にしない。

 

イングランド戦の開始を待って、帰宅しようとしたら地下鉄のいくつかは「severe delay」のサイン。交通網までオカシイ。

普段のこの時間なら混んでて何台か見送らなければ乗れない時間でも、空席があるほど空いていた。

 

因みに、朝、隣に座っていたフレディに「フットボールばっかりでオリンピック盛り上がって無くない?」と聞いたら「ロンドンで開催されるとか、GB(Great Britain)が強い種目なら盛り上がるけど、オリンピックはNah(この『ナー』という表現、よく使われる。Noのスラング)」一言でいえば、チームGBだけでは盛り上がらないと言うことだ。

 

そしてハッキリ毎回言うがイングランドは大して強くない。だが監督の責任は重い。

会社の殆どが仕事をすっぽかし、交通機能がマヒして、パブに入場制限がかかるくらい盛り上がるのだから。

 

英国に引っ越したばかりの時にヒョットコに言われた「大きなイングランド戦の時は気をつけて帰ってこないとダメだよ。救急車が直ぐに来ないからね」

 

もう15年経つけど忘れない。嘘か本当か確かめる気にはなれないが、あながち間違いでもなさそうだ。

色々支障は出るけれど、でもそういう英国人のテキトーさが嫌いではないから、ここに住み続けちゃうのかもしれない。

 

フットボールファンには堪らないシーズンがまだしばらく続くサッカーサッカーサッカー笑い泣き