『事なかれ主義』これはおかめのことである。

「謝って済むならそれでいいじゃん」と直ぐに折れようとする。

ヒョットコは逆だ。「納得しないことにどうして従う必要があるの?」

夫婦というのは考え方は似てきても、絶対に真逆の性質があるはずだと思っている。

 

事の発端はオシャカが春休みの前に繰り返し病気になり学校の出席日数が基準を下回ったことが理由で「副校長と面談下さい」と学校から呼び出しがあったのだ。

 

確かに疑問があった。

オシャカは春休み前に毎朝吐いていて、「子供が嘔吐した場合丸2日は学校に行ってはいけない」という学校のルールに従っていた。

一旦学校に戻ったら完全に回復していないことで、さらに症状が悪化してしまったので丸1週間、完全に学校・習い事全てキャンセルして回復に専念していた。

 

医者からの書類もあったので「ズル休み」の疑いは晴れるだろう。そして「残りの日数は必ず出席してください」と言われても、それは約束できないことだ。病気にならないなんて保証はどこにもない。

 

とは言え、おかめは「学校は公立だから、副校長は家族と話さなくてはいけない政府のルールに従ってるんだろうな」くらいに思っていた。

しかしヒョットコは「学校のポリシーには『ズル休みの疑いがある場合は面談に呼ぶことがある』と書いてあるが、ここに医者からの証明もあるから疑いは消えるはずだ。であれば、何故面談をする必要があるのか」と直接副校長にメールを送っていた。(私に何の相談もなく)

 

おかめは「学校のルールに従えないなら出ていけって言われたら困るじゃん」とヒョットコに言うと「オカメはどっちの味方なんだ。僕たちは学校の疑いを晴らすことができるのに、どうして面談をする必要があると思う?朝の貴重な時間にノコノコ理由もなく謝りに行くなんてゴメンだ」と屈さない。危うく夫婦仲がこじれるところだった。

他のパパにこの話をしたら、笑いながら「学校には厳しく言って嫌われた方がいい。今後あの家は面倒だからと言って呼び出されなくなるから」と違う意味でヒョットコを支持していた。ある意味正しい。

 

昨今、メンタルを病む学校の先生が多いと聞く。問題は子供でなく親だとか。

可哀そうな先生たち。

でも、その一方で家族にこういう人がいると助かることも多いのが海外生活なのである。

「とりあえずこの場が丸く収まればいい」というメンタリティは他のところで損をする。肝心なところで断れなかったり、責任を負うのを避けたりしがちだ。そして愚痴を言う。やっぱり私って組織の人間なんだよな~と改めて思う。

ヒョットコは真逆だ。「自分はこう思う」がまず先。だから「No」も早い。そして自営だ。

 

私が日本に帰らないのは、何か問題が起こった時、いざとなったら夫がどうにかしてくれるだろう、という甘えもあるかもしれない。

そう考えると、国際結婚カップルで日本で暮らす奥様は本当に偉いと思えてきた。