英国に移住して割と直ぐに気がついたことがある。

 

それは『おばあちゃんが明るい』こと。

英国は年寄りに優しい国である。(もちろん家族問題というのは答えのない複雑さをもっているので家族ごとの事情は考慮しなことにするが。)

 

孫とおばあちゃんは親友の様に仲が良かったり、おばあちゃんのワガママさや奔放さを温かく見守っている。

 

英国のおばあちゃんはピンクや紫、赤といった明るい色の服を好み、爪を赤く塗り、ジュエリーを皺のたくさんある手に重ね付けして女性であることを満喫している。

 

日本にいた頃は「年寄りだから」という理由でコロッケのような靴を履いたり、派手にならないように「年相応」に控えめな恰好の老人が日中しか出歩かない雰囲気があった。今でこそオシャレアラカンインフルエンサーがたくさんいて素敵な60歳も増えたが、実際どの程度の老人が影響されているだろうか。そもそも最近の60歳は年寄りとは言えないほど若々しいが。

なんとなく日本には「若ぶった痛い老人と思われたくない」と思う風潮が漂っている。

 

英国では定年を迎える時には「Happy Retirement」のカードを送る。つまり第二の人生のスタートを切るというウキウキした気持ちで迎えるのだ。

「定年万歳」なのだ。「もっともっと人生自由にさせていただきます」と宣言し、年寄り同士でクルーズに出かけ、スポーツをしたりパブでビンゴやクイズをしたり、ワインを片手に夜遊びも楽しむ。

 

それを受け入れる家族がいて社会がある。

おかめは細々と静かな老後を迎えるよりも、好きなだけオシャレを楽しみ、行きたいところに行けるうちに足を運び、「やりたいことをやる人だった」と家族に思われて人生を終えたい。

 

できれば50代半ばにはリタイアしたいと今から企んでいる。ヒョットコも同じだ。

オシャカが自立したら二人でイタリアを一周しようと決めている。

 

皆さまはどんなリタイアメントプランお持ちでしょうか。

確実に写真の自分は年を重ねている。落ち込むよりも「老後のお楽しみ」を考えると年を重ねるのも悪くないかな。

お金を遺す気なんてまったくない。死んでから感謝されるよりも生きているうちに一緒の時間を楽しみたい。英国のおばあちゃんの笑顔がおかめにそれを教えてくれる。