敵軍に占領されている離島を奪還するのは困難だ。
上陸できる砂浜や穏やかな波、風など条件が限られるので占領側に作戦を読まれやすい。
高い位置に陣地を作られた状態で攻め昇らなければならないから攻撃側は不利だ。
ソ連軍は主戦場が地繋がりのヨーロッパで、地上戦は強いのだろうが、海を越えて敵地に上陸する経験、スキルがなかった。
だからアメリカ軍に付け焼き刃的に訓練してもらったのだ。
不可解なのはアメリカの動きだ。
日本軍は千島列島を軍事基地にしていて、択捉島から真珠湾を攻撃した機動部隊を出撃させている。
千島列島の最北端、占守島からさらにアリューシャン列島のアッツ島まで進出していた。
真珠湾の攻撃、アッツ島の占領はアメリカから見ると重大な安全保障案件で、日本軍を憎悪、恐怖の対象にしていることは想像できる。
アッツ島は激戦の末に日本軍を玉砕に追い込んで奪還した。
占守島も空爆するところまで追い込んでいた。
ヤルタ会談でソ連に参戦を承諾させたとして、満州への攻撃、南樺太への攻撃だけで良かったのではないか?
なぜ、わざわざソ連軍を訓練し、艦船まで用意して千島列島攻略に参加させたのだろうか?
ここからは、私の勝手な推理になるのだが。
①ソ連軍を少しでもヨーロッパから引きはがしたかった。
②沖縄、小笠原諸島をアメリカが占領してもいずれは日本に返還するときが来るだろう。
③だが千島列島だけは日本に持たせるわけにいかない。
④だったらソ連に攻めさせて、論功行賞的に千島列島をソ連に領有させたかった。
これが、アメリカの思惑なのではないか?