数日前、部屋の中のものをすべて運び出した。
もともとは使っていない家具を少し整理するつもりだったのに、片づけ始めたら止まらなくなって、結果的に一気に空っぽにしてしまった。その日の夜、作業が終わった頃には、部屋には床と壁と窓しか残っていなかった。
部屋が空になると、考えるべきことが一気に具体的になる。どこに家具が必要で、どこはあえて何も置かなくていいのか。動線はスムーズか、光は足りているか。今まで当たり前のように使っていたけれど、実はなくても困らないものは何か。
こうしたことは、物が置いてある状態ではなかなか意識しづらい。最初は、よくある方法を試した。インテリアの事例を見たり、家具の通販サイトを眺めたり。情報はたくさんあるけれど、見れば見るほど細かい部分に目が行ってしまい、「そもそも何を解決したかったのか」が分からなくなっていった。
そこで思い出したのがVisualGPTだった。これまでは画像生成や写真加工に使うことが多かったけれど、今回は フリーAIルームデコレーター の機能を使ってみることにした。
使い方はとてもシンプルだ。今の部屋の写真を1枚撮ってアップロードし、あとは大まかなテイストを選ぶだけ。間取り図を描く必要もなければ、家具を細かく指定する必要もない。
生成された画像を見て、このツールの役割がすぐに分かった。「これが正解です」と決めつけるのではなく、想像の中にしかなかった空間を、まず視覚化してくれる。レイアウトのバランスや、部屋全体の雰囲気が一目で分かるので、
これは合わない、これは意外と悪くない、と判断しやすい。使ってみて、これは考えを整理するためのツールだと感じた。
その意味で、VisualGPT は本質的にAI デザインツールだと思う。専門的な知識がなくても、「方向性が合っているかどうか」を確認できるのが大きい。
その後、いくつか異なるテイストのパターンも試してみた。シンプルなもの、温かみのあるもの、生活感を重視したもの。方向性が定まってくると、その先はスムーズだった。
家具を選ぶときも迷いにくくなり、
配置を考えるときも、やり直しが少なくなった。
今も部屋はまだ完成途中だ。それでも、最初のような「何もない状態」ではない。夜、帰宅して照明をつけたとき、「戻ってきた」と自然に思える感覚がある。豪華でもなく、特別おしゃれでもないけれど、落ち着く。
こういう体験は、意外と多くの人に合うと思う。
デザインに自信がなく、
たくさんの情報や事例に振り回されたくない人には特に。
最初から完璧にやる必要はないし、専門用語を理解する必要もない。AI デザインツールは、低いハードルで使える「参考役」みたいな存在だ。現実の空間をそのまま撮って、あとは新しい視点をもらうだけでいい。
使ってみて気づいたのは、私たちが本当に求めているのは「見た目のいい部屋」ではなく、仕事終わりに気持ちを切り替えられる空間なのかもしれない、ということ。
今回の経験を通して、
初めてちゃんと考えた気がする。
自分は、どんな生活空間で暮らしたいのか。


