鶏の水炊き
寒い夜に食べたくなるのが鶏の水炊き。
作り方は、だし昆布、白菜、鶏肉を
よく煮るだけ。
仕上げに春雨を入れポン酢で
一気にいただきます。
ただ不思議なのは、昔からこの素朴な水炊きに
憧れていた点です。
なぜならかっての我が家は、大変な鍋好きで、
すき焼き・おでん・しゃぶしゃぶ・寄せ鍋
カニすきなどはもちろん、家では作れない
ふぐ鍋や湯豆腐を求めて
各地を食べ歩く徹底
ぶりだったのです。
そのため当然、母が作る鶏の水炊きも、鶏肉以外にもつくねや
上質の豆腐類をだし汁で煮た凝ったものでした。
そして高齢の母が長期入院して、単身になった今、突然
我が家にも私が好きな素朴な水炊きしか
食べられない時代があった
ことを思い出しました。
結局鍋料理のだいご味が、めったに食べられないものを
家族で分け合って食べることにあるとするならば、
幼い時に食べた水炊きの記憶が今も
生きているのかも知れません。
一人でつつく鍋は、何だか侘しいものですが、
記憶にしみる味には勝てません。
当分寒い夜は、水炊きで体も心も満足する日々が続きます。

