菜の花は
僕にも笑って
忘れては、
春を待たずに会いに
月、雪に埋もれ
衰弱しきって週末にのぼる
この丘は、
故郷が見渡せるから
見せたかったんだ
菜の花と君はよく似ている
顔を見せてくれないか
熟れて落ちたプラム
道でつぶれた臭いに
犬は嫌がり逃げるというのに、
群がる蟻も
集る蝿も
個々に非ずの酷い顔
欲に従順に浸るあなたたちがシステムは
哲学で血を縛る
あなたたちが家は
愛の名の下に
プラムに寄りすがる
道でつぶれた臭いに
犬は嫌がり逃げるというのに、
群がる蟻も
集る蝿も
個々に非ずの酷い顔
欲に従順に浸るあなたたちがシステムは
哲学で血を縛る
あなたたちが家は
愛の名の下に
プラムに寄りすがる
君からの不意な電話に動じてか、彼は朝食に手をつけなかった
立ち上る彼方こなたの気持ちを
息に溶かして吹かしている
黄身がとろりと
薄い膜を破って垂れていく
皿の空白に
鮮やかな無音が広がっていく
立ち上る彼方こなたの気持ちを
息に溶かして吹かしている
黄身がとろりと
薄い膜を破って垂れていく
皿の空白に
鮮やかな無音が広がっていく
外はひどい嵐だ
裸でずっと抱き合っていようか
朝日か夕日かもわからなくなるくらいに
僕らが二人かひとりかもわからなくなるくらいに
よがって何も考えられなくなるんだ
でも
その後に残るものはなんだろうか
昏睡間際の快楽の果てに
僕らに何が残るかな
首を絞めたあとや歯噛みのあと
そういったものじゃなくて、
朦朧とした意識の中で感じる
空気は
心は
愛で埋まるかな
それとも裸に剥けて出るのは
もっと奥に仕舞っていた君にも自分にも隠していた哀れで不恰好な素直さだとしたら
僕はこの部屋を出なければならなくなるかもしれない
たとえ外が嵐だとしても
浅い眠りから覚めて
夢に恐れを抱いたのではなく
その夢を見る自分を化け物のように思えて
布団に包まる身体が動悸に溺れ
腕を縮めて絶望していたのだ
身を起こしてみれば静かな部屋だ
夢から這い出て逃げ出した夜はどこへ行ったのか
現実感で満たされた冷えたコーラを飲んで
2度目の歯磨きをしに
鏡に映る夜更けの自分と顔を合わせた
とても化け物には見えない
