昭和の東京、大学時代の記憶だが・・
廃屋寸前の木造校舎占拠した部活の部室で
後輩と喰った廉価な、まあ・・サラダパン
ポテサラとキャベツと激薄のハム一枚の
貧乏くさい100円の総菜パン、ふと喰いたいと思った。
学舎の正門、旧中山道沿いのほんの数坪のパン屋
コッペパンか食パンに塗ったり挟んだりしてくれた
無口な親父と不愛想な姉ちゃんが居た気のする店の。
食パン二枚使うのは高級でコッペパンは10円安い
ジャムバタやらハムサラやら餡バタやら
略称で呼ぶ、その場で作る惣菜パンが妙に旨かった。
ああ、あれって青春の味だったかもなあ・・
先輩の買い出しに使われたときは自分のぶん驕りでさ。
不思議と思い出すのはたぶんパン自体が旨かったのと
いつも腹減らしてたからかも知れん。
大学のころ消防法に引っ掛って取り壊され
追い出された木造校舎の
吹奏楽団の団室や大講堂前のベンチで喰った味。
もう、二度と喰えぬだろうな・・あの味は(遠い目)
売り切れてるとマジ泣きしたちびデブ後輩の
こよなく愛したコッペパンのハムサラの味、昭和のパン。