新潟飯(えちごはん)~老舗蕎麦屋の超変化球 古町藪蕎麦・鳥辛そば~ | のすたる爺の電脳お遊戯。

のすたる爺の電脳お遊戯。

北国の港町に生息する莫迦親父な生き物が
日々の手遊びを時に駄文で綴り
また戯れ絵で遊ぶ、泡沫の如き代物。

過日、ふらりと古町を昼間散策・・ちょいと寂れ具合が切ないが
相も変わらず脚が向く・・老舗蕎麦屋の「藪蕎麦」。

で、小生密かに注目し偏愛してるのが
此の「藪蕎麦」の謎メニュー(笑)で在ります処の

・・・「鳥辛(とりから)そば」。

$のすたる爺の電脳お遊戯。

何時もの=藪=なら初夏は定番の季節メニュー
=胡麻だれ蕎麦=あたりか、野菜天せいろなのだが
最近は何故か此れを食べねば・・と注文、980円也。

出てまいりました=鳥辛そば=を見て改めて瞠目。

$のすたる爺の電脳お遊戯。
※鳥辛そば・・980円IN古町藪蕎麦

=藪=には珍しく陶板に盛られた蕎麦の上に掛かった海苔と胡麻。
で、つけ汁は出てきた瞬間に=胡麻油?=の香り。

一瞬此処は蕎麦屋かそれとも違う料理屋かい・・と思うほど。

その=つけ汁=には多量の細葱と皮つきの鶏肉が・・
しかも添えられているのは玉子の黄身という老舗ならざる邪道(笑)。

$のすたる爺の電脳お遊戯。

こ、これはチャレンジだよなあ~=藪蕎麦=・・と正直(笑)。

で、最初は冷たい蕎麦をその熱いつけ汁でひと口。

ばん!と口内に広がる甘み、旨み、そして辛味・・
此れは亜細亜系エスニックの味付けにも似て・・・

其処に=藪=の蕎麦がしっかりと自己主張して絡む。

最初は玉子の黄身無しで召し上がって下さいとの薦めに従い
ひとくちふたくちと啜るうちに辛味と返しのコクが渾然一体
不思議にして斬新な蕎麦と酸味の混じった辛味のつけ汁のマッチング。

辛味と脂の感じは韓国?中華?なのだが・・
酸味に使っている酢や味醂のコク、醤油の風味は紛れも無く=蕎麦=。

玉子の黄身はつけ汁に溶いて味をマイルドに変えるも佳し。
いっそ蕎麦に直接混ぜ込んで食感と風味の変化を楽しむも佳し。

$のすたる爺の電脳お遊戯。
※謎の鳥辛そばのつけ汁・・パンチの利いてるじゃぽねすく(笑)

これ、新潟初と大見得切っても許される快心の老舗の変化球だよなあ。

故に最後に飲む蕎麦湯の味わいは当(まさ)にグローバル・・
蕎麦湯好きには是非にも味わって戴きたいほど。
蕎麦好きにも辛味好きにもエスニック好きにもお勧めです。

で、なにより此処までやってなおしっかり=蕎麦=が生きている。
老舗ならではの実力でしょうか・・此れから夏にはまた宜しいか・・
反則すれっすれできちんと日本蕎麦してるという此の懐の深さ

ある意味アバンギャルドな蕎麦っすよぉ・・掛け値なしに。

まあ、基本は此処の野菜天蒸籠とかがお勧めなんだけどねえ親父的には・・

上物の蕎麦粉の蕎麦に揚げたての野菜天・・昼のちょいと贅沢なひと時。
まあ、お値段1400円也は幾分高いが此れ個人的には止められん美味。

$のすたる爺の電脳お遊戯。
※古町藪蕎麦 野菜天蒸籠(せいろ)

冬場の鴨南蛮も捨てがたいけど・・ああ、やっぱ、蕎麦は盛りかざるっ(笑)
くいっと一献引っかけて手繰って繰り出す夜の巷、紅灯の露地・・

孤影病躯と言えども・・最後までどこか遊野郎な莫迦親父で生きて死にてえなあ・・と。


=古町藪蕎麦= 新潟市中央区古町通り八番町1490
TEL:025-222-7982 水曜日定休