概要

日時: 2/21, 2024
生成場所: Twitter
内容: ブルーアーカイブのメンテナンスとその延長を嘆く
元ネタ: オリジナル、ツイート時より大幅に加筆修正

 

 

  本文

ブルーアーカイブのない一日だった。
天気のせいもあってか、虚しい、虚しい時間を過ごした……

「Vanitas Vanitatum, et omnia vanitas」

1ヶ月前の私は、深い深淵の中に囚われていた。「誰かのために」どころか、自らのためであっても何事にも意欲を持って取り組むことなどできなかった。丁度今のように。ここまで熱中できる「なにか」に出会うとは想像もつかなかった。

あるとき、始発前の駅構内に大々的に掲げられた「広告塔」を見つけた。そこに掲示された数多の少女たちに見つめられて、私の心は躍動した。元々存在自体は知っていた。Twitter, Pixivその他諸々のプラットフォームで先生たちの情熱を傍観していた。正直面白そうだと思っていた。しかし、私はスマホゲームというものに疎く、長続きしない性分であるのを心得ていたので、このゲームには手を出さなかった。

「誰もいない駅構内で、やってみたかったゲームの宣伝を目にする」

この不可思議な体験はある種の縁だ。この偶発的な出会いはある種の道標だ、と私は確信した。「今なら3周年キャンペーンで無料ガチャあるよ」と熱心に布教してくれる友人の言葉に後押しされ、私はこのゲームを始めることを決心した。

ふむ、なるほど……学園都市の「先生」となり、生徒たちの問題を解決する。これ自体はオーソドックスな展開かもしれない。しかし、各キャラクターの徹底した掘り下げと完成度の高いストーリー、そして高水準なBGMによって、私はこのキヴォトスという「世界」に没頭した。私はこのゲームをプレイしている間は、他でもない「シャーレの先生」なのである。生徒たちに寄り添い、悩みを解決して、負うべき責任を担う唯一の「大人」なのだ。

他者に貢献しようという心持ちなど微塵も持ち合わせていない、酷く捻れた社会不適合者の私が、まさか「生徒」たちに心から向き合い、そこに正の感情を見出す日が来ようとは!我が身をも犠牲にしてまで人のために尽くすことを嫌がらない日が来るとは。仮初だろうが架空と言われようが、体験する私にとっては紛れもない「現実」だ。私は、現実において他者貢献を肯定できたのである!

暗がりから一歩抜け出せば、そこは青空だった。私は、彼女らと共に青春を創り上げ、謳歌する最上の歓びを噛み締めることができたのである。
生きるって案外悪くないのかもと思った。

今の私は完全に「シャーレの先生」だ。