こんにちは
先週の木曜日にはこちらに行ってまいりました!
14日のリサイタルシリーズvol.4 ”最後の言葉”と同プログラム。
ブラームスとシューマンのヴァイオリンのための作品(作曲者自信によるヴァイオリン編曲版も含む)シリーズの最終回でした。
ピアノは昨年と同じ、北村朋幹さん。
シューマンに注力されているピアニストさんですね。
テーマの「最後の言葉」が意味するように、二人の作曲家の晩年の作品がプログラムに並びます。
岡本さんいわく、ヴァイオリンリサイタルなのに
「ヴァイオリンのために書かれた曲は1曲しかない(笑)」プログラムなのだとか。
後から書きますが、ヴァイオリンリサイタルなのにアンコールも異色(嬉しいサプライズ✨)でしたよ♪
プログラムには2ページにわたってぎっしりと岡本さんによる解説文が。
SNSでも編曲版と原曲の違いなどに触れてくださり、より興味深くお聴きすることができました。
シューマン:おとぎの絵本
もともとヴィオラのための曲ですが、シューマンはヴァイオリンのための編曲も残していました。
プログラムノートには、シューマンのヴァイオリン編曲版が貧弱であることを否めず、この音を使ったのは効果的でないのでは?などなど岡本さんの忌憚なき見解が述べられていました。
聴く予習はしていったのですが、楽譜を見ながら聴いてみないと違いは明確にわからず。
ヴァイオリンで弾くには映えにくい音域だよなぁと思いました。
そんな中音域を、ドラマチックに歌い上げたり・あるいはソリッドな音色で紡いでいかれ、決して裏方でないピアノとのせめぎあいに惹き込まれます・・・!
どこかスリリングな第3曲までと打って変わって、第4曲の儚さよ🥺
かすれたようなSulG?の音色は、もう逝ってしまった大切な人への語りかけのよう。
この曲は長調なのに・音色はあたたかなのに悲しみに満ちているように感じました。不思議だなぁ。
涙がとまらないよ・・・😭
シューマン:ヴァイオリンソナタ第3番
ブラームス・ディートリヒとシューマンの合作であるFAEソナタの、シューマンが担当した2・4楽章に別の楽章を挟み込んでできあがったソナタ。
第一楽章は、第2番がいきなり衝撃的な始まりだったのに似てるかも!
でも、どこか力がなく。
曲が進むにつれて熱量というか、混迷が深まるかのように盛り上がっていきます。
前回もそうだったけど、穏やかな雰囲気とは裏腹にすごく情熱的な演奏をされる北村さん。
ヴァイオリンを喰わないぎりぎりの所を攻めてこられます。
2021年の岡本さんのリサイタルが流れてしまい、FAEソナタの生演奏は聴くことが叶わなかった私😭
でも、2・4楽章は今日聴けると思っていいのでは!?だって同じ曲だし。
なーんて思ってました。
でも、CDで聴き慣れた2・4楽章とカラーが違うように聴こえてきます。
FAEソナタの時は若さゆえの悩ましさと諦めない前向きな熱さを感じたのだけど、3番ソナタだともっと悲哀を帯びているというか。
4楽章もこんな激しい感情をまとっていたんだ・・・と新たな発見。
岡本さんに質問してみたいことが色々頭に浮かびました。
ここで休憩。
北村さんのピアノもかなり良かったのでソロの曲も聴いてみたい!と思い、ホワイエでCDを追加購入(先に何のCDを購入済みかは察して🤣)。
シューマンづくしのアルバムを選んでみました。
さあ!後半はブラームスです✨
ブラームス:クラリネットソナタ第1番
一度は作曲の筆を折ったブラームスが筆をとって書いたのは、2曲のクラリネットソナタ。こちらもブラームスの手によるヴァイオリン編曲版が残されていました。
岡本さんは
「今取り組んでいるからかもしれないけど、ヴァイオリンソナタ3曲よりもこの曲が好き」
とSPICEのインタビュー記事でもおっしゃっていました↓
私は予習ではクラリネット版を聴き込みました。
クラリネットの柔らかな音色が頭の中を通り過ぎて、なかなか曲の全容を把握できず💦
当日聴いてヴァイオリン版との違いはわかるのだろうか?
第1番は熟しきった晩年のブラームスの達観と諦観、そしてスケールの大きさを感じる音楽でした。
クラリネットらしいアルペジオの音型がヴァイオリンだと音の立ち上がりがくっきりしてより魅力的だったり、クラリネットの野太いロングトーンの音色をそのままヴァイオリンで再現されてるように聴こえたり。
そして前回お聴きしたVnソナタ3番のように、この曲もピアノにめっちゃ仕事をさせる曲なのでした😂
コンチェルトのようにスリリング!
原曲とヴァイオリン版との変更点はというと、やっぱり私の予習不足でわからなくて申し訳なかったです🙏
また楽譜を見ながら聴き込んでみたいなぁ。
ブラームス:クラリネットソナタ第2番
1番とはうってかわって、愛情深さに満ちた音楽。
岡本さんの豊穣な音色と相性がよくて、会場があたたかな空気に満ちていました。
Xのフォロワーさんが、ヴァイオリンの先生に「ブラームスのソナタはドイツの言葉がわかってないと弾けない。歌曲をまずひとつは覚えてきなさい」と言われたという話を思い出しました。
ドイツ語のことはわからないけど、岡本さんの演奏は確かに語りかけてくるよう。
語彙を持っている音楽。そんな印象を受けました。
サプライズアンコール!
カーテンコールの後ステージに登場された岡本さんは、すっごい早口でたくさんのお話を聞かせてくださいました。
今回のプログラムにかける思いは深く、伝えたいことはいっぱいあるのでしょうね。
電車の時間が迫っているのを気にしてくださったのかもしれません。
お話しされている後ろで、北村さんがピアノの前に椅子を2つ並べておられました。
もしかして!?
「シューマンとブラームスの最後の言葉を辿るべく、最後にシューマンが書いた天使の主題の変奏曲にちなんだ曲を弾きます」
なんとピアノ連弾!
ヴァイオリンリサイタルでヴァイオリニストがピアノでアンコールって、なかなかないのでは。
反田さんが「誠司はピアノもうまいんですよ!」とおっしゃってたので、いつか岡本さんのピアノをお聴きできたらと思ってましたが、願いが叶ってしまいました😍
ピアニストと並んで遜色がない、繊細で美しい音。
ブラームス作曲の「4手のためのシューマンの主題による変奏曲」のテーマを引いてくださったのでした。
曲の余韻のなか静かにヴァイオリンを手にされ、次に演奏されたのは同じく「天使の主題」が織り込まれたシューマンのヴァイオリン協奏曲の第2番。
4月にN響でお聴きしたシューマンや天使の主題を、形を変えてまたお聴きできるなんて🥺
とてもとても幸せな2時間でした。
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CD購入者対象のサイン会にはもちろん並びましたとも!
(布教用CDが次は誰に贈られるかはお楽しみに❣️)
コロナの制限が解除されたからか、お二人に差し入れをされる方がたくさんおられました。
私はFAEソナタとの印象の違いや質問を岡本さんに投げかけ、丁寧に答えていただけました。ありがとうございます・・・!