神戸市室内管弦楽団 「光さす闇」
こんにちは9月の推し事ウィークのラストはこちら。神戸市室内管弦楽団 定期演奏会「光さす闇」指揮:八嶋恵利奈ヴァイオリン:岡本誠司演奏機会が少ないはずのシューマンの協奏曲ですが、4月のN響に引き続き今年2回目です。岡本さんが愛してやまない曲を何度もお聴きできるなんて幸せ〜--------せっかく神戸まで足を伸ばすので、ちょっとは神戸らしいスポットを楽しめたらいいなと思いました。異人館街を歩いてみたかったけど、この日も猛暑日。坂道をヒラヒラした服で汗だくで歩くのはキツそう・・・そして演奏会前に疲れると、演奏中に寝落ちるリスクが高まりそう。(銀座ヤマハホールで前科あり💧)神戸老舗のレトロな喫茶店でランチをするにとどめました。「にしむら珈琲」本店をめざしてたはずですが・・・(お写真はお借りしました)検索し間違えて、三宮店に着いちゃった。でも、こちらも素敵おひとりさまなのに、なぜかおしぼりとお冷が3人前出てきました。私に見えないお客さん(👻!)がいるのかと思いきや、誤って3名様と伝わってたそうです。その後、周辺でちょっとお買い物。時間が余るかなと思ってたけど、道に迷いすぎたのでいい塩梅に時間がつぶせました。1万2000歩も歩いてたーーーー💦神戸文化ホールは大倉駅から直結で、駅の通路に演奏会のポスターが掲示されていました。ホールの冊子に岡本さんのインタビューが掲載されていたので1冊持ち帰ってきました。インタビューはこちらからも読めます↓https://www.kobe-bunka.jp/hall/wordpress/wp-content/uploads/2024/07/saisou-WEB-hallmate-No516-2024.08.pdfN響の時は端っこの席しか残ってなかったけど、今回のお席は最前列のど真ん中!推し様に顔が割れてて恥ずかしいですが、間近でお聴きしたい誘惑の方が勝ちましたベルク:《叙情組曲》から3つの楽章弦楽合奏曲です。予習として1回は聴いてきましたが、12音技法の曲は難解な印象が拭えません・・・でも、生音で聞くと最後まで意外に面白く聴けました!ドラクエの洞窟の音楽にもぴったりじゃないかしら?シンと静かだからこそ、色々な音が聞こえてくる洞窟。一寸先も見えない闇の心細さ。ボス戦のような不穏な空気。そして、素人耳にもアンサンブルがめちゃくちゃ難しいのがわかります。各パートの表と裏で違うことを弾いてる。わずかに拍をずらしてあちこちから重なって聞こえてくるピチカート。良い意味でスリリングで、耳が離せなくなりました。現代曲は美しい歌を楽しむのでなく、音のテクスチャや色合いの重なりを感覚で楽しむものなのかもしれませんね。シューマン:ヴァイオリン協奏曲N響の時と違い、オケは小編成で大きすぎないホール。そして、端っこでなくソリストのすぐ前でお聴きできる!大きいホールだと爆音の岡本さんでも音量的にちょっと物足らない感じになるのです(ヴァイオリンって管楽器に比べると音が通らないので)。この日はダイレクトに、太くて丸くて温かな音色が届きました✨オケが小ぶりだからか、ソロがより際立って聴こえてきます。1楽章の最後は情熱的なようで、最期に命の炎を燃やし切って散るかのような儚さも感じた。この温度感は今日の会場のほうがビシビシ伝わってくる!2楽章は大きなホールで遠くから聴いた方が、現実味のない夢の中にいる感覚が味わえそう。ヴァイオリンとチェロの音が少し生々しく聴こえるのは、多分私が近すぎるところで聴いてるせいだと思いました。それでもやっぱり、岡本さんのウォームな音色は好きだなぁ😍20世紀のヴァイオリニストは、音色を聴いただけで誰だか分かる個性をお持ちの方が多いのですが、最近では珍しいですよね。わかりやすいのはパールマンくらいかな?岡本さんもそんな1人じゃないかなって思っています(ラジオで聴いたドッペルは音色だけで、岡本さんのパートがわかっちゃったもんね♪)アンコールはN響の時と同じ「天使の主題」セット。岡本さんが無伴奏版に編曲された2曲でした。歌曲「春の訪れ」はその名と裏腹にこの世を去る前の独白のように聞こえ、「天使の主題による変奏曲より主題」は魂を鎮めるコラールのよう。協奏曲で昂ぶった気持ちが穏やかになり、涙が滲むような寂しさを覚えながら音楽が終わりました。 シューマンのヴァイオリン協奏曲を噛み締めることのできた、深い時間でした。 アンコールは、協奏曲第2楽章の主題の元となった若者の為の歌曲集Op.79-19"春の訪れ"と、協奏曲の後に書かれ同主題を持つ"天使の主題による変奏曲"WoO24より主題(いずれも岡本誠司編)を!#神戸市室内管弦楽団 #八嶋恵利奈 https://t.co/gcWVE1LT1q pic.twitter.com/0NmVLxMWHN— 岡本誠司/Seiji Okamoto (@seiji_vn) September 14, 2024ブラームス 交響曲第4番シューマンの協奏曲はブラームスとカップリングされるのが常なのでしょうか(笑)N響の時は2番、今回は4番がメインプログラムとなっています。寂寥感と諦観に支配された4番もまた「光さす闇」にふさわしい曲なのかも。八嶋さんの指揮はエネルギッシュで音楽は停滞せず、川の水が流れ続けるような流麗な音楽を紡ぎ出されてました。ずっと水色がかった薄墨色に支配されていたけど、3楽章でドカンと薔薇が降ってきて(私の個人的なイメージです笑)目前がピンクに!ここが唯一の光さす箇所なのかも!ブラームスらしい重厚な4楽章はともすると陰鬱すぎる音楽になるのだけど、サバサバと聴かせてくださったように思います。八嶋さんはその音楽だけでなく、指揮台から降りて歩かれる時もカーテンコールの時もキビキビ・しゅぱっ!とエネルギッシュな方。普段はドイツで活動されていて、日本では名古屋に引き続き神戸が2回目の公演なのだとか。これからのご活躍も楽しみです出待ち私はどちらかというと入り待ち・出待ちには否定的なほうです。アーティストに時間外労働をさせてるようで申し訳なくて・・・今回の会場は楽屋へ向かう通路が出入り口のすぐそばにあり、常連さんとおぼしき方が出待ちをされてました。この場所なら気軽にお見送りくらいはできそうだなぁと、私もみなさんに紛れて初めての出待ちをしてみました。出てこられる楽団員さんほぼ全員と親しげに話されるおじいちゃん。定期会員のベテランさんなのかなぁ。私のとなりのおっちゃんの手持ちのファイルの中に、岡本さんの写真が何枚もはさまれてるのを見てしまいました。男の方でこんな熱心なファンは珍しいなぁ。つい「私も岡本さんのファンなんですよ」と話しかけてしまいました聞くと、朝10時半に入り待ちして岡本さんと写真を撮り、その写真をプリントして持ってこられたのだとか。そして、今日はどちらかというと八嶋さんのほうがお目当てみたいなこともおっしゃってました。しばらくして、岡本さんがJNOの有田さんや八木さんと一緒に出てこられました。JNOのお仲間も聴きにこられてたのですね。出待ちしてる人の群れに気付かれた後は、ペンを取り出してサインに応じておられました。おっちゃんも朝に撮影した写真にサインしていただけて満足そう。私はサインは求めず、「お疲れ様でした!」とお声がけしました。「アンコールも含めて今年2回も岡本さんのお好きなシューマンをお聴きできて幸せでした♪」「明後日の鵠沼(サロンコンサート)には行けなくて残念ですが頑張ってください」とお伝えした後、長居はせずにさっと立ち去りました。他の方が待っておられるし、きっとお疲れでしょうし。定期演奏会だとサイン会はないことが多いので、まさか推し様に出会えるとは思っていませんでした。少しだけでもお話しできて嬉しかったな。これに味をしめて入り待ち・出待ち常連勢になることはないけど、たまにはいいかもね☺️次は10/19の軽井沢のリサイタルまで予定はありません。手持ちチケットがあと1枚となり、なんだか寂しいです秋に予定されてたバッハのリサイタル、年内にはないのかな?情報解禁が待ち遠しいです。