定期的に注文をくださっていた方の

ご自宅にお化粧品を届けに行った帰り・・・



さっき別れたばかりの

そのお客様から電話がかかってきました。



一旦購入してしまったけど・・・

もうその化粧品を辞めたいそう。



10年以上使ってくださっていたので

少し戸惑いましたがお客様のもとへ戻り

返金をしました。



それで聞いてみたんです。


どうして辞めたいんですかって。



そうすると、「お金が厳しい」って。


年金生活の身になって

自分には贅沢だと思うようになったって。



そんな中でもずっとお使いいただいていたのは

どうしてですかってさらに聞きました。


すると、私との長い付き合いがあったからって。




私は返品された化粧品をそのお客様に差し上げました。


化粧品が気に入らなかったわけじゃない。


私のことも好きでいてくれたのだと思う。


だけどお値段のことがずっとひっかかっていた…


お客様も苦しかったと思います。



やっと言えた、言ってくださったんです。




お化粧品の購入を促したことはなかったし、

定期的にご注文いただく契約もなかったので、

いつでも辞めようと思えば辞められたはず。



そんな中10年以上も続けてくださったことに

感謝の気持ちが深く湧いて来ました。



その細く長いお付き合いがもうこれで終わってしまう。

 

そう思うと淋しかったから、

最後に化粧品をお渡しして

喜んでいただけてよかったと思います。



自己満足かもしれないけれど。





帰りながら考えていました。

十数年間、もっとそのお客様に深く関わったり

幸せにして差し上げる方法があったかもしれません。



他のエステティシャンなら

どんなアプローチができただろう。



だけど、どんなに考えても

私ができる最善はこれだった。



エステのお仕事はお客様との一期一会が尊くて、

どんなに大切に思っても「もっと出来ることはなかったか」

って思うことばかりです。



だけど、ほとんどの場合その出会いはフェードアウト。



いつの間にか来られなくなる。



それでも、思い出したように何年後かに

来てくださることはたくさんあるので

これが最後なんて思うことはまずありません。




そんな中、はっきりと

このお客様とはこれが最後だって知れたこと、

十数年分のありがとうを伝えられたこと、

「ずっとずっとお元気で」と言って笑顔で去れたこと。



本当に手を合わせるような気持ちになりました。



同時に、今もサロンに来てくださるお客様方のことを

愛おしく暖かく思い出しました。





人との出会いは自分の向き合い方によって変わります。



サラッと流すこともできる。


自分が被害者かのように言うこともできる。


相手を可哀想な人と決めつけることもできる。


合う、合わない、好き、嫌いで割り切ることもできる。




でもなにもジャッジしないで

ただただその時の感情を味わうことのできるご縁が

私の人生にとっては何よりも大切。




また一つ、温かい思い出ができました。



オーガニックエステサロンprism

http://prismnet.jp