おいでまし(*'-')ノ~。.*・゚哲矢の部屋-101002_192534.jpg


それだけは伝えてきた。




昨夜、医者は、

「今日、もって明日だから、親族には連絡して欲しい。年齢が年齢だから延命はしない。」

と母は言った。


母は、自分の母親が死ぬとき、じいさんとばあさんに許してもらえず、死に目に逢わせて貰えず、発狂した。

その母と弟が、徹夜でじいさんを見送る。

実子の長女は、長年勤めた会社の勤労祝いをすると、それを聞いても、ひ孫まで集めて温泉に行った。

じいさんが倒れて、土地もお金も取られ、ばあさんはボケた。

「じいさんが危ない」と聞いているのに悲しむそぶりがなく、普通にきてすぐ帰っていった。





この家にいると、頭がいたい。

じいさんは、戦争にいき、戦後ひとりで、せんべい屋を始め、それから不動産、そして店をひとりで建てた。

人にも自分にも、厳しいじいさんだった。



母は、

「みんなが来てくれて良かったね。治る事を祈っているんだよ。」

と嘘を言った。



自分が恨んでいる人でも、、

実子は本当は温泉でも、、

見送る為の嘘を言う母を見ていられなかった。










俺は仕事柄、色んな人に出会う。

色んな世代の考えを知る。

でも、うちの家系以上に、笑顔でいるのに歪んだ家系を、俺は今までみたことがない。





でも、それでも、今は少しだけ 感謝してる。


この世界に生まれたのは、じいさんが居たからで、俺が病気でも、巡り逢えた人達が居て、愛せたから。


歌うこと、ダンス。

楽しむ事の全てを知れたから。






それでも、俺は普通じゃない。

どうか、子供達は、あの女性のもと、そんな気持ちを知らずに幸せになって欲しいと心から願う。