回想法とは知りませんでした。表現としての写真、記録としての写真という両側面がしっかりと認識されています。本に出てくる写真は、この両面を見事に示しています。写真の本質を捉えた作品を見せて、ひとりぼっちの高齢者に思い出などを語らせます。思い出は懐かしく楽しいものですから高齢者の心を元気にさせます。また、写真の登場人物の会話の中身を想像させ発表もさせています。よい写真・写真とは、説明し過ぎない、想像させるものという本質を上手く利用しています。


同じ時代を生きた者が集まり、その時代を捉えた写真を見て、「そんなこと、あるある」と語り合うこと、地域の違いやストリーなどに気づき新たな発見し合うことなどで盛り上がることでしょう。


我々フォトグラファーは、その時代を捉えた写真、その時代に生きた人物の素顔を写し取った写真を目指さなければなりません。これが使命なのです。


写真の本質が、ひとりぼっちの高齢者を救うことに役立つとは新鮮な驚きです。