桃園の誓いを結び、天下統一を志した英傑劉備と関羽・張飛の両猛将。三顧の礼にこたえ、天下三分の計を説いた軍師諸葛孔明。乱世の姦雄と恐れられた曹操、風雲児孫権。赤壁五丈原での激突と争乱。

 『三国志演義』は、史実をもとに描かれた、壮大なスケールをもつ男たちのドラマである。本書は、多彩な登場人物によってくり広げられる友情と裏切り、知謀と奸計、勇気と決断など、数々のエピソードや名場面をとりあげ、乱世を生きぬいたヒーローたちの知恵に学ぶ人間探究の書。


 現代に生きる「三国志」――「三顧の礼」「脾肉(ひにく)の嘆をかこつ」「泣いて馬謖を斬る」「死せる孔明、生ける仲達を走らす」……。私たちが日常なにげなく口にする言葉の中に、「三国志」に由来するものが多い。それだけ「三国志」は、私たちの身近にあるということができよう。しかし、私たちはこれらの言葉の裏には、人々のはげしい愛憎と葛籐があつたことを知らねばならない。

 また、この時代の中国は、400年間つづいた漢王朝が倒れようとしており、人々はいつその下敷になるかも知れぬという恐れを抱いていた。それだけに人々は、漢にかわる新しい秩序を建てるべく奔走し、その道をさぐりつづけたのである。こうした時代の大転換期が生んだ壮大な入間ドラマが「三国志」の世界である。――本書より