スウェーデン・ストックホルムにあるスカンセンは、世界で最初にできた野外博物館である。19世紀は、ヨーロッパは一挙に工業化が進んだ時代だ。民族学者であったアルトゥール・ハゼリウス(Artur Hazelius)は、スウェーデンの中央部にあるダーラナ地方を旅したときに、古来からある伝統文化が失われていくことに危機感を覚え、建築をはじめ歴史ある貴重なものを保存していく大切さを実感した。

 

そこで、ストックホルムのユールゴーデン島の一部を購入し、ダーラナ地方をはじめとするスウェーデン国中から約150(現在は約160)の建物を買い取って移築をした。そのほとんどがログハウスである。そして18911011日にオープン。日本でいうと明治24年のことである。

 

30万㎡の広大な土地にこれらの建物が点在し、当時の衣装をまとった人々が、当時と同じ作業をしているので、19世紀にタイムスリップしたようだ。また、家具職人、パン工房、靴職人などが、当時の機械で当時の作り方を披露している。今では人気スポットになっており、年間130万人以上が訪れている。