私の妻は3歳のときに父親を戦争で失った。
父の面影は記憶になく、居ない者として65年
が過ぎた。
妻を含めて3人の子供を育てた母親は
苦労の連続であったろう、今存命である。
海軍であったが乗っていた船名も沈没場所も
いまだに知らない。
ただ戦死の通知のみで
南方洋上の他なにも書いてなかったようだ。
今回戦艦大和と護衛艦6隻の沈没海域に慰霊団が
行くことを知り、どうしても行きたいとのことなので
足の悪い妻なので自分も同行することにした。
その船団に父が乗っていたかどうかはどうでもよい、
南方洋上で戦死、
だけを一途に思い冥福が祈れれば良い。
かたい決心である。
65年間の父に対する思いを
一気に吐き出したいような気持のようだ、その身になって
見ないとわからない心の中ではある。
戦争は頭から離れない年齢であるが直接被害者
も高年になりその悲しさがあと何年続くか心配である。
一緒に行って義父の冥福を祈りたい。