ここに泉あり、映画の題名である。
年配の人しかわからないと思う。
終戦後群馬県の小学校をトラックでくまなく回り、
ぼろをまとった小学生にオーケストラ(20人編成)
の音楽を聞かせる交響楽団の涙ぐましい実存の物語である。
個々の楽器の説明に始まり、曲の背景、作曲者の生い立ち、
などを解説してから演奏が始まる。
子供たちは講堂の板の間に膝を抱えてじっと聞いている。
終演の拍手の仕方まで教えてくれた。
その子供の一人に私もいたのです。
その瞬間の感動が頭に染み付いていて現在まで
クラッシックと付き合っている。
正に三つ子の魂百までも、です。
時代の経過の沿いLPレコードであり、労音に入ったりして最後は
N響定期会員20年である。
楽器は何も出来ずにただ聴くだけ、
今ではスコア(総譜)を眼に浮かべながら聞くまでになりました。
同時代に育った兄弟は差こそあれ皆クラッシックファンです。
食料も物資も何もない時代にこうした活動をしてくれた
先人音楽家に頭が下がります。
ちなみに入場料は10円位だったと思います。
その楽団は現在の群馬交響楽団です。
映画の主役は岸 恵子 と 小林 桂樹 です。
記憶にある人がどれくらいおられるのでしょうか。