1944年(昭和19年)6歳の時、両親の出生地である群馬県に疎開し田舎での生活が始まりました。
戦後数年は蓄財で何とか暮せたようでしたが、貨幣価値の急変で旧紙幣は紙くず同然となり、
我が家も(日本全体)窮乏生活になった。両親と子供8人祖母の11人家族の自給自足生活である。
幸い父が戦前に買っておいた田畑が10アールあり食物だけは素人農業で何とかなった、
しかし現金収入が皆無で親はどのような心境であったか計り知れない。
学校で10円程度の集金があっても親に言い出せなかったことを思い出します。
母はそれまでの人間付き合いで得た信用があり、何とか親戚での借金で切り抜けていたのでしょう。
満ち足りていた過去に人間愛のある付き合いをしていたからこそ、
困ったときに助けてもらえたのだと、その時代の事をひと時も忘れずに私は今まで生きてきました。
とりわけ裕福な生活を望んだこともなく。