今まで一部を除き、企業は物流合理化のために、拠点統合や
物流網のスリム化に力を入れていました。
しかし東日本大震災を契機に、合理化だけではなく、別の視点から
物流を見ていく必要に迫られています。
その別の視点は何かと言うと、商品の安定供給です。
さて本日付けの日経新聞では、商品の安定供給にフォーカス
する形で、大手企業の物流体制見直しの動きを取り上げています。
イオン 東北各県の商品の仕分け拠点に一定の在庫を保有
菱食 これまで進めてきた国内物流拠点の集約を再考
ファミリーマート 弁当の委託先工場と物流拠点を分離
メディパルHD 岩手県内の物流センター新設を1年前倒し
日清オイリオ 人手を活用した大型倉庫を新設
サントリーHD 自動倉庫の管理システムを改良
キリンHD 鉄道輸送へのシフト
抜本的に物流網の見直しをしようとするところもあれば、
複数輸送手段の有効活用を図ろうとしているところもあります。
しかし一つポイントとなるのは、今まで極限まで圧縮してきた
在庫を今後どのように保有していくかということにあると思います。
どこに在庫を配置するのかあるいはどれだけ在庫を保有する必要がある
のか、これらの課題に対して、物流合理性の視点からだけでは
アプローチするのが、今回の震災の影響で難しくなってきています。
商品安定供給の視点も踏まえ、在庫戦略をどうすべきかを
企業は考える必要があります。
これをどれだけ短期で策定できるかが、物流部門には求められる
と思いますが、商品安定供給の視点から在庫戦略をどうすべきか
検討してきた人材はそれほど多くないと思います。
そういった意味では、これから1年間のうちに策定される各企業の
在庫戦略には相当な優劣の差がつきそうです。
商品安定供給と在庫合理化のバランスがとれた素晴らしい在庫戦略を
どれだけの企業が策定できるか見ものです。
