山本幸久著、『渋谷に里帰り』、NHK出版、2007年10月。
前任者の異動や退職で、業務を引き継ぎをした経験は
会社勤めをしている人だったらほとんど経験している
のではないだろうか。
前任者がきっちり引継書を作ってくれて、しっかり引き継ぎを
行ってくれるなら何の問題もない。
しかし前任者が突然辞めてしまい、何も分からない状態で
業務を引き継いだ経験を持つ人も結構な割合でいるのでは
ないだろうか。
本書は、前任者が結婚退職をするということで、業務を引き継ぐ
ことになった若手営業マンの話しである。
前任者はしっかり引き継ぎをしてくれる。むしろ主人公は、そんな
優秀な前任者の後を自分が引き継ぐことが出来るのか不安
になってしまう。
更に、渋谷エリアを担当することになったのだが、渋谷は主人公の
出身地で、いろいろと苦い思い出をあるわけで、どちらかと言えば
敬遠したい場所であった。
引き継ぎに関するネガティブな部分を乗り越え、主人公が一人前
の営業マンとして成長していく姿を本書は描いている。
仕事が上手くいくと、プライベートも上手くいくわけで、そういったところ
は、ご都合主義と言えなくもないかな。
現実社会では、こう上手くはいかないのだろうけど、
自分にとって仕事上の転機となるチャンスは数回は訪れる。
それを上手く活かせるかどうかは、当人次第であり、
どれだけ本気になれるかも極めて重要である。
あっさりとした小説だけど、そういったことを少し考えさせられた。