何時だったか某タレントがインタビューで語っていた言葉。

そして私の尊敬する上司が言っていた言葉。

私の好きな言葉。



今日は久々に嬉しいことが。

私が担当するどうにもこうにも効果が出せないお客様。
(あっ私は広告営業&編集やってる)
渾身の提案をお持ちした。


所謂“神降臨”。
と、自画自賛してしまう程自信のある提案で、絶対通ると思った。
でも訪問前にふっと自分の拙いラフを観ると…正直其の自信も揺らいだ。


結果…オーナーは「良いですね」と笑顔を見せた。

提案はするりと通った。

そしてオーナーは云う。
「此れならもうワンサイズ大きくしないとね」

でかけりゃ集客出来る広告なんて此の世にはない。
サイズアップは此方から持ち掛けた商談ではなかった。
そして其れはでかけりゃ来ると思って下した、オーナーの独断による決断でもない。

単純に自分の持ち込んだ提案に対して下った評価と期待だった。

こんなに嬉しいことがあったろうか。
長い長いトンネルをやっと潜り抜けた様な心地だ。

喜ぶのは確かにまだ早い。
広告はやってみないと解らない。喜ぶのは本当に効果が出た時だ。


でも、やっぱり誰かが笑ってくれる姿は嬉しい。
自分の存在価値は少なくともあったんだと思える。
一年担当させて頂いて初めてリレーションが築けた瞬間だと思った。



ずっと仕事が厭だった。
広告営業、提案営業、原稿編集と云えば途端に魅力的な仕事と云われるに違いない。
でもこんなルーティン作業が何時まで続くのか…何時もそんな風に考えていた。
身体の調子も今一で、譬え成果を上げても何だか虚しかった。
職場の皆良い人。
だから居心地は良い。でも一方でどうもそんな居心地は何時だって最悪だった。

解らなかった。
私が此処にいる理由が。

成績はまぁまぁ。多分中の上くらい。
でも期待以上の成果は返せていない。

立場や機会ばかりが先走りしていて、ぶかぶかの靴を履いている気がしていた。

だから給料が上がっても賞を頂いても自分で踏みしめた感覚がせず、素直に喜べなかった。

居場所がなかったんだと思う。
所詮私の代わりなんて幾らでも居る。


趣味でも見つければ…と人は云う。
でも“其れ”じゃないと思った。

根拠はないけど、此のもやもやした心情を解く鍵は、趣味でも酒でもなくって、やっぱり仕事なのだと思う。


こういう嬉しい日は、やっぱりあの言葉が頭に浮かぶ。

「仕事のストレスは仕事で解消する」



多分、私の代わりはそんな風に感じる今でもゴマンと居ると思う。
私が居ても居なくても世界は廻る。
私が居なくても誰かが違う提案をしたまでだ。
其処までの過信はない。

また、私独りで成し得たものではない。

真剣にお客様と向き合う機会があって、同僚の後押しがあって…そして耳を傾けてくれるオーナーが居た。
私だけの力では決してない。


其れでもあの瞬間だけは私のもので、永遠だ。

独りよがり上等。
思い込みで良い。

あの瞬間のあの笑顔は私しか引き出せなかった…筈だと思える私は多分、相当幸福に違いない。


なんて云いつつ…明日の朝はやっぱり億劫。朝寝坊して居たい…怠惰な私。

其れでも想うのは私は仕事が好きだということ。

だから刹那を生きるのはやめにしたい。
一瞬の喜びに満足して終わる何時もの自分は見限って…曲がりなりにもプロなのだから結果を出したい。

結果が出れば社内できっと賞を取る。
そういうレベルの提案だな筈だ。

だから絶対結果を出さねば!
何だかやけに野心が騒ぐ。
こんな心地も久しぶりだ。

其れにオーナーの笑顔と決断を無駄には出来ない。


不思議なもので、今回の責任とプレッシャーはずっと付き合っていたい気さえする。
きっと何だかんだで心地良いのだ。

間違いない。
多分こんな日の麦酒は最高の喉ごしだ!!