実際に起きた事件、北九州監禁殺人事件をモチーフにして書かれた小説です。
以前、同じく北九州監禁殺人事件の小説を読んだ時に日記を書いたのですが、その日記のコメントでモコさんから教えていただいた本です。
感想はグロいとか色々あるようですが、その様な表面的なものでは無く精神面や犯罪を犯してしまう心理面に目を向けると違う角度から何通りも感想が出て来ます。
誰に自分を重ねるかでも違うし、もしこの場に自分が居たら…でも違うし、家族が巻き込まれたら…でも違う。
感想はどの角度から物語を捉えるかで変わるので、それを踏まえて読むと何気無い日常が真っ黒に染まりゆく事に対しての恐怖が増すと思います。
最初なら抜け出せる…でも、主犯はそこを狙って来る。
他人を洗脳し支配するその状況、それは多大な恐怖です。
人間を支配する人間、人間に支配される人間。
その心理に恐ろしい以外の言葉は当てはまらないですね。
読んでいると「隙をついて逃げればいいじゃん」とか「何で犯人を殺さないんだ」と思うと思うのですが。
暴力や洗脳の言葉(身体の内外からの圧力)と監禁状態で心身共に極限状態にあると逃げる・殺すは無理な事なのだと理解出来ます。
そこに、この事件の場合は恋愛感情も加わるので余計に厄介ですね。
死刑とは精神鑑定とは家族とは…よく考えたい。
