3章.模擬試験


夏休みのある日、全国模擬試験があった。


この2か月間、19時から夜中2時過ぎまでの7時間勉強し続けた。

もうボロボロだった。体は25Kgも落ち、精神的にも疲れ切っていた。

しかも最悪な事に円形脱毛症の初期症状も患っていた。

いわゆる禿げである。 


そのくらい体を犠牲にしながら勉強を2か月続けた想いのすべてをぶつけよう!と模試に挑んだ。


必ずや私は努力が目に見える形になると期待していた。きっとスゴイ偏差値になると信じていた。ちなみにこの時はすでに校内の定期テストで上位に名を連ね始めていた。



さて、いよいよ試験である。


試験開始!という試験管の声に呼応し、私は自信ありげに問題用紙をめくった。





その瞬間、、、私は絶句した。


 


問題の日本語の文章の意味すら分からないのだ。。おぃおぃ、まじかよ。。


この2ヶ月間、計400時間も英・数に費やしたにも関わらず、殆ど手ごたえなし。



『こりゃ参った・・・』


私はその場に倒れこんだ。


薄れゆく意識の中で、


『ありえない。おれって予想以上のおバカだ・・・もうダメっぽぃ・・・』


しかし、私は究極のおバカさんである。

目覚めたその時に、私はなぜか諦めなかった。


『自分の頭が悪いんじゃなくて、自分の要領が悪いんじゃないか』


こう思ったのだった。

要領の悪さが私の体を壊した。激減した体重、やつれた顔、不精ヒゲ、はげ。


でも、この姿を鏡で見て、なぜか自分自身を誇らしげに感じた。


もっと自分を大切にしようと思った。自分を大切にしないから、自分の望みが叶えられないということもうすうす気づき始めていた。


そして最後にこう思った。


 


「今まで勉強してこなかった奴がちょっとやったからってうまく行くはずがないよな。ここまで頑張れた自分に自信を持ってみよう」


 


今までの疲れを癒す為に、2日間 家で引きこもって遊んだ。苦笑