
僕には無理ですよ。
云われてもいないセリフを思っては、眼を閉じた。
被害妄想だったらいい。
あの時の空気が、そう云っていなければいい。
君は少し難しく考えすぎるから。
そんなものお前にわかるかよ。
難しく考えすぎるんじゃない、難しいのだ。
いつか忘れてゆく事を大切にし続けるのは、わたしには出来ても、貴方には。
わたしのからっぽな頭の上にある雲が流れて、そこへ流れて、わたしの代わりに濡らしますよう。
その足下、綺麗な黒髪、取り敢えずこの鼻唄は届かないと諦める。
僕には無理ですよ。
聞いて。
わたしにも無理だ。
だからもう云わないで。
夢の中でももうやめて。
どうせ云うなら、さようなら と。
流れて、そこへ流れて
降って、濡らして
乾いた頃
貴方に届く何か。
