記事を書くのが遅れてしまいました。
ほとんど話題になっていないようですが、26日のmsn産経ニュースに以下のような記事が載っていました。
市民団体が上申書提出 小沢氏の陸山会事件
『民主党の小沢一郎幹事長の資金管理団体「陸山会」をめぐる事件で、小沢氏を政治資金規正法違反罪で告発した都内の市民団体「真実を求める会」は26日、東京地検特捜部が小沢氏を再び不起訴処分としたことは承服しがたいとして、東京第5、東京第1両検察審査会に上申書を提出した。
上申書では、ボディーガードの暴力団組員の拳銃所持について指示していない組長の共謀を認めた判例を示し、「小沢氏と元秘書の間で暗黙の指示は十分認められ、共謀は成立する」としている。
同会の審査申し立てを受け、第5検審は平成16、17年分の政治資金収支報告書への虚偽記載について小沢氏を「起訴相当」と議決、再度の不起訴処分を受け、再審査に入っている。第1検審は19年分の虚偽記載について審査を続けている。』(2010/05/26 msn産経ニュース )
この必死さが気持ち悪い。
よほど小沢氏が与党幹事長でいられたら困る人間の集まりなのでしょう。
判例とあるところは、平成15年5月1日最高裁決定 のものと思われますが、内容を知っているのでしょうか?
なんか痛々しいというか、キチガイじみているというか…。
暗黙の指示の要件は
1.ボディーガードが自発的に被告人を警護するため拳銃等を所持していることを確定的に認識している。
2.1.について当然のこととして受け入れて認容している。
3.2.についてボディーガードの方も承知している。
この3点が揃って初めて共謀が認められます。
陸山会の場合では、
1.小沢氏が虚偽記載を確定的に認識している。
2.小沢氏が虚偽記載を当然のこととして受け入れて認容している。
3.秘書らが小沢氏も認容していると承知している。
ことが要件となり、これまでの悪意に満ちた報道を参考にしたとしても1~3は全て当てはまらないことが明らかです。
要件が当てはまらない以上、「十分認められ」る根拠は何処にも無いことになります。
暗黙の指示は存在せず、「暗黙の指示」=「単に指示がなかった」ということであり、証拠がないことを市民団体自身が認めているのです。
平成15年5月1日最高裁決定
『暴力団組長である被告人が、スワットと称されるボディガードに対してけん銃等を携行して警護するように直接指示を下さなくても、スワットらが自発的に被告人を警護するためにけん銃等を所持していることを確定的に認識しながら、それを当然のこととして受け入れて認容しており、そのことをスワットも承知していたときは、被告人とスワットとの間にけん銃等の所持につき黙示的に意思の連絡があったといえる。』
参考:岩波判例六法