先日の平野貞夫氏の発言ですが、機密費の方は元官房長官園田直氏の秘書だったこともあり、信ぴょう性は高いと思いますが、一方の西松事件における森英介当時法務大臣の指揮権発動に関する発言については、私だけではなく他の方々も疑いを持っているようです。
最初にこの話を聞いたときの感想は『ニュースの深層見られないのが残念。』 の記事に書いております。
『まさか指揮権発動という表の手を使っていたとは…。
しかし、事件捏造の指揮権発動って可能なの?』
私もこのような指揮権は聞いたことがなく、こんなことが可能なのかと疑った次第です。
岩上安身氏のtwitterを見ておりましたら、
『「平野氏によると、指揮権発動どころか、逆に、麻生内閣の森英介法務大臣が、事件の捜査をするように働きかけたというが、その可能性は?」と、私が質問すると、郷原氏は困惑気味に、「それはないのではないか」と。村上氏も、「それはないと思う。森さんはお坊ちゃんだから」と、懐疑的。 』
『筆坂氏も、会終了後の雑談で、「平野さんは、小沢びいきだから」と笑いながら、「平野発言」に懐疑的な姿勢を見せたが、とはいえ、そうした発言を打ち消す、決定的な情報や確信は皆さん、持っていないご様子だった。当事者の証言が聞きたいが、森前法相が話すとは思えず。 』
(以上、岩見安身氏のtwitter より)
とあり、岩上氏も筆坂秀世氏(元日本共産党中央委員会常任幹部会委員)も村上正邦氏(元自民党参議院議員)も懐疑的。
ただし、根拠はなし。
(注:上記ツィートで発言者は捜査をやめさせることを指揮権と考えているようですが、検察庁法14条 にそのような記載はありません。内閣総理大臣による行政各部の処分・命令に対する中止権と混同?)
一方郷原信郎氏は
『「森法務大臣が大久保氏を逮捕させた」というのが、在宅捜査方針を強制に変えさせた、ということであれば、まったく不可能なことではないかも知れません。ただ平野氏の話も伝聞なので、何とも』
(郷原信郎氏のtwitter より)
と発言しておりますが、私はこの意見にも賛同しかねます。
法務大臣の指揮権は、一般にはなんでもアリのように思われているようですが、個別案件については検事総長へのみ直接指揮できるというものなのです。
全員へ指揮できるなら意思統一も可能ですが、検事総長を経由してということになれば、検事総長がかなり積極的に関与しなければ難しいのではないかと思います。
しかしながら、これは表のルートである指揮権発動に対しては懐疑的というだけで、依然として国策捜査の疑いが消えたわけではありません。
森英介氏に限らず、影響を与えうる実力者が現場レベルへ直接命令を出したという意味なら否定はできないかと。
検察庁法第14条
『法務大臣は、第四条及び第六条に規定する検察官の事務に関し、検察官を一般に指揮監督することができる。但し、個々の事件の取調又は処分については、検事総長のみを指揮することができる。』
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
追記
その後郷原氏はtwitter内で
『森氏が財界人に大久保氏逮捕を自分がやらせたような発言をしたとすれば、強制捜査着手後に、法務省幹部などに、「国策捜査だなどと言われているが、気にせずドンドンやれ」などと言っていて、それを「自分がやらせた」などと発言しただけではないかと思います。 』
と発言。(郷原信郎氏twitter より)
この話なら私も納得。
やはり、表のルートで国策捜査は考えにくい。