オリコン
の「現代の日本を立て直して欲しい昔の偉人」のランキングで坂本龍馬が一位になったそうです。
この記事を見た直後「マニフェストの検証大会」(2009/08/09 MNS産経ニュース 他) のニュース。
民主党が9団体平均53点、自民党が47点。
産経の記事には載っていませんが、「政策の安定性は自民、民主党は無理な政策が多い」と評価した団体があったようです。
2つの記事は「対照的だな」と吹き出してしまいました。
坂本龍馬は、語るまでもなく江戸徳川から薩長土肥への政権交代に尽力した人物。
大政奉還と言えば、幕府から朝廷への政権移譲と解釈されておりますが、現実は薩長土肥政権であったことは近代史を知る人ならばだれでも知っていることです。
(船中八策の作成に龍馬が加わっていたかどうかは諸説あるようですが、ここでは通説を取っています。)
ここに船中八策を示しておきます。
船中八策の原文
一策 天下ノ政権ヲ朝廷ニ奉還セシメ、政令宜シク朝廷ヨリ出ヅベキ事
二策 上下議政局ヲ設ケ、議員ヲ置キテ万機ヲ参賛セシメ、万機宜シク公議ニ決スベキ事
三策 有材ノ公卿諸侯及天下ノ人材ヲ顧問ニ備ヘ、官爵ヲ賜ヒ、宜シク従来有名無実ノ、官ヲ除クベキ事
四策 外国ノ交際広ク公議ヲ採リ、新ニ至当ノ規約ヲ立ツベキ事
五策 古来ノ律令ヲ折衷シ、新ニ無窮ノ大典ヲ撰定スベキ事
六策 海軍宜シク拡張スベキ事
七策 御親兵ヲ置キ、帝都ヲ守護セシムベキ事
八策 金銀物貨宜シク外国ト平均ノ法ヲ設クベキ事
(Wikipedia 船中八策 より)
一策がいわゆる大政奉還、二策が二院制の議会制定、三策は一種の行政改革、四策は外交、五策が憲法制定、六、七策が防衛、八策が一種の金融政策。
(大政奉還を言いながら議会の設置も示しており、天皇親政などは考えていなかったことがうかがえます。
つまり二院制であることを考えると最初から将軍から朝廷への政権交代などは考えておらず、江戸から薩長土肥などへの政権交代を考えていたわけです。)
今見れば当たり前の政策も江戸時代の常識からは大きく外れるものです。
当時の人たちは言ったはずです。
「龍馬は無理な政策が多い」
長期政権からの政権交代は一見無理な政策が多いのは当然で、行き詰っているこれまでの政策を安定と考え、新しい政策を無理と突っぱねるのは、思考停止の抵抗勢力ならぬ低脳勢力の考え方です。
何のためのマニフェストで何のための検証か?
「成果を上げられなければ、選挙で落とす」
つまり結果責任を求められるのがマニフェスト選挙の本質であり、やる前から「できる、できない」の議論をするのは愚の骨頂でしかない。
できなければ、次回以降当選がなくなるだけです。
行き詰った江戸幕府の存続を求めるか、無理な政策の薩長土肥にかけるか各々の選択が迫られます。
私は、これまでマニフェストの政策ごとの評価を避けてきました。
これまで、批判してきたのはマニフェストの「書き方」。
「約束がなければ検証ができないので自民党は必要十分に書くべきである。」
という点だけ指摘してきました。
マニフェストの政策評価とは、各々の立場によって異なり、誰かが誘導すべきものではありません。
私であれば、医療、介護が最大の評価対象です。
過去4年の検証により投票行動を決めます。
各団体のマニフェスト評価も結局は自団体の都合です。
以前、全国知事会のマニフェスト評価を投票の参考にするかという意識調査 があり、約半数が「参考にする」に投票しておりましたが、「わかっているの?」と問いたくなります。
知事会は、地方の独自財源確保が目標であり消費税増税がその政策の柱です。
実際に今回の評価項目に「地方消費税の充実」というものがあり、自民党と民主党で3.3ポイントの差が付いています。
さらにこの評価は二重に行われており、地方財源の確保の項目で4ポイントの差が付いています。
また、公明党と民主党でも両項目で9ポイント近い差が開いており、これが最終結果の差につながったのです。
(参考 2009/08/08 YOMIURI ONLINE )
消費税増税か否かで投票先を決めたい人は参考になるのでしょうか、それ以外の人が参考にするのは無意味では?
このように、所詮は自団体の利益しか考えないわけですから、各団体のマニフェストの政策評価は無意味です。
誰かに誘導されることなく、政策の内容については自分で判断し投票していただきたいものです。
(でも各政策に色々言いたいことはあるのですが…。)
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地方分権の話は、皆さんもう少し冷静になった方が良い。
我々にどのようなメリットがあるのかがわかりません。
知事会等は、この点我々に丁寧に説明すべきです。
今の知事会では、利権の分配を議論しているにすぎません。
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FTA締結問題で鳩山代表と小沢代表代行で意見が分かれているようです。
農協がどうだということではなく、
「国民の生活が第一」
という原点に立ち戻った議論が重要です。
その結果、修正が必要ならば、堂々と行えばよいのです。
最悪なのは、選挙後の政策変更。
民主党だけではなく自民党も公約がわかるようにマニフェストを修正すべき。