失言による法務大臣の辞任について | 第6の権力 logic starの逆説

失言による法務大臣の辞任について

平成22年11月22日に、柳田法務大臣が失言の責任をとって辞任しました。

この件については、辞任する前にエントリーをしたかったのですが、かなり遅れてしまいました。


さて、この失言というのは、報道によると、11月14日に、地元のパーティで「法務大臣はいいですよ、“個別事案はお答えを差し控える” “法と証拠に基づいて適切にやっている” 法務大臣は、この2つ覚えておけばいい」と発言したということです。

この柳田法務大臣の発言は、パーティでのことだそうですので、おそらくジョークではないかと思います。他人を悪く言うわけでもなく、自分がやっている法務大臣の仕事についてのジョークですので、それをとりあげて非難するというのはいかがなものかと思いますが、以下では、発言の内容については踏み込まずに、仮に失言であったとしても辞任させるべきでhなかったという趣旨で、辞任反対論を書いてみたいと思います。


大臣が失言で辞任することが最近増えていますが、そのきっかけとなったのは、平成19年1月に当時の柳沢厚生労働大臣が「産む機械の数は決まっている」と発言し、2月に責任をとって辞任したことだと思います。

この「産む機械」発言については、別のエントリーに書いてありますので、そちらをご覧ください。


http://ameblo.jp/logic--star/entry-10727205326.html


この柳沢氏の「産む機械」発言が仮に失言であったとしても、やめるべきではなかったと思います。

それは、閣僚の評価は、こうした国会や政府の外での発言によってなされるべきではなく、どのような仕事をしたのか、あるいは、しなかったのか、ということで評価をされるべきだと思うからです。

よく「資質に問題がある」といったことが言われますが、よい仕事をできるのがよい資質であるはずです。

そして、いったん失言で責任をとることがおきれば、次からは、政敵も、マスコミも、失言を狙い、失言をとりあげることに注力するようになり、本来行われるべき政策についての議論や報道がなされなくなり、他方で、失言辞任が相次ぐことにより、政治や行政が停滞してしまうからです。


そして、実際にそのような事態になった、というのが、柳沢氏の「産む機械」発言の後で起こったことであり、そして、現在もそれが続いているのではないでしょうか。


柳田法務大臣の発言が仮に失言であったとしても、「失言では辞めない、辞めさせない」と勇気をもって言うことが、正常化への道であったのではないか、と思うのです。


もちろん、政策判断を誤った、あるいは、仕事をしていないということがあれば、それは批判し、場合によっては辞任を求めるということもあってよいことです。大臣に対しては、国会や政府の外での失言ではなく、国会や政府での仕事に対して批判がなされるべきではないでしょうか。