<エンジン及びタービン製造業における環境パフォーマンスとは>

エンジン及びタービン製造業における環境パフォーマンスとは、自社の事業活動、製品、サービスが環境に与える影響を定量的に把握し、その負荷を低減した成果を示すものである。

ISO14001の定義に沿えば、環境方針及び環境目標に基づく測定可能な結果であり、単なる活動の実施ではなく「どれだけ環境影響を改善したか」が問われる。特に本業種は、重工業に分類され、製造時のエネルギー多消費性と、製品使用時の温室効果ガス排出という二重の環境影響を持つ点が特徴である。

 

《エンジン及びタービン製造業における環境パフォーマンスの具体例と取組み方》

1)製造工程におけるエネルギー使用と温室効果ガス排出

鋳造、鍛造、熱処理、機械加工、試験運転などは大量の電力や燃料を消費する。

<具体例>

環境パフォーマンスの具体例としては、単位製品あたりのエネルギー使用量(kWh/台)の削減や、Scope1及びScope2排出量の低減が挙げられる。

<取組み事例>

取組みとしては、高効率炉の導入、排熱回収設備の設置、再生可能エネルギー電力の調達、エネルギー監視システムによる原単位管理などが有効である。

目標値を設定し、月次で実績をレビューし、差異分析を行うことがISO的管理手法である。

 

2)材料使用と廃棄物

<具体例>

エンジン及びタービンは高強度合金や特殊鋼を大量に使用するため、切削くずや鋳造不良品が発生する。

環境パフォーマンスの例としては、材料歩留まり率の向上や廃棄物再資源化率の向上がある。

<取組み事例>

取組みとして、加工プログラムの最適化、3Dシミュレーションによる設計段階での材料削減、金属スクラップの完全分別回収と再溶解ルートの確立などが挙げられる。

廃棄物原単位(kg/台)を継続的に低減することが重要である。

 

3)化学物質管理

表面処理、塗装、防錆処理では有機溶剤や金属化合物が使用される。

<具体例>

VOC排出量や有害物質使用量の削減が環境パフォーマンスの指標となる。

水系塗料への転換、密閉型洗浄装置の導入、代替物質の評価などが具体的対策である。

<取組み事例>

法規制順守に加え、リスクアセスメントに基づく予防的管理が求められる。

 

4)製品使用段階での環境影響

内燃機関やガスタービンは使用時に二酸化炭素や窒素酸化物を排出する。

<具体例>

環境パフォーマンスは、熱効率の向上、燃料消費率の改善、低排出燃焼技術の開発などで測定される。

例えば、燃費を数パーセント改善することは、製品ライフサイクル全体で巨大な排出削減効果を持つ。

<取組み事例>

設計段階でのシミュレーション活用、耐熱材料の改良、水素や持続可能燃料への適合設計などが取組みの具体例である。

 

5)サプライチェーン管理

<具体例>

調達材料の製造過程でも多量の排出が発生するため、環境配慮型調達や取引先への環境監査が環境パフォーマンス向上に直結する。

<取組み事例>

グリーン調達率やサプライヤーのISO14001取得率を指標とすることが考えられる。

 

<結論>

エンジン及びタービン製造業の環境パフォーマンスは、自社工場内の負荷低減にとどまらず、製品使用段階及びサプライチェーン全体を含めた広義の視点で管理されるべきである。

ISO14001の枠組みを活用し、定量指標を設定し、科学的データに基づき継続的改善を行うことが、環境責任と企業競争力を同時に高める最も確実な道である。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ999号より)
 

 

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