2025年9月30日付の時事通信社が、
『ヘルパーが来てくれない【介護の「今」】』
と題した記事を報じていました。
筆者は、一応、人間ドック等の検診結果から、現状は「健康体」という扱いです。
また、これまでの人生において、大病せずに、ここまで来ました。
しかし、年々、疲労が抜けにくく、定期的に運動をしていて、体調は悪くないはずなのに「からだが重くなったなぁ」と感じるようになりました。
月並みですが、できるだけ「年齢なりの健康」を維持して、通院や介護が必要の無い人生を歩みたいと思っています。
以下に、この記事を要約し、「ヘルパー人材」が不足しているこれからの時代をどのように生き抜いていくべきか、考察しました。
《記事の要約》
東京下町に暮らす54歳の女性は、働きながら母を介護する「ビジネスケアラー」だ。
母は脳梗塞の後遺症で歩行や日常動作に介助が必要だが、希望する時間に訪問ヘルパーが確保できず、仕事継続が難しくなりつつある。
ケアマネジャーからは自費利用を勧められるが、借金返済で家計に余裕はない。
2000年に始まった介護保険制度は「介護の社会化」を掲げたが、ヘルパー不足が深刻だ。
公益財団法人介護労働安定センターによると、訪問介護員が「不足」と答えた事業所は58.1%にのぼり、「大いに不足」は2009年度の3倍。背景には採用難や従事者の高齢化、報酬引き下げがある。2024年度の介護報酬改定では訪問介護の基本報酬が2%超下げられ、事業所の休廃業も増加している。
現場では「新規利用に応じられない」「回数制限や時間短縮」「通院の付き添い不可」「生活援助の敬遠」「認知症対応の回避」など悲鳴が絶えない。
ヘルパーは在宅介護の柱だが、制度創設時から民間中心となり、登録制の働き方が広がった。しかし、移動や待機が無給となることも多く、収入不安定や孤立感が強い。
制度の変遷も働きにくさを助長した。家事援助の低報酬、自由裁量の縮小、不正受給問題後の規制強化、要支援サービスの市町村移行などで現場の負担は増した。
処遇改善加算はあるものの効果は限定的で、人材不足は続く。2025年からは外国人介護人材が訪問系にも従事可能となるが、喫緊の課題は解決されていない。
介護保険が掲げる「介護の社会化」の実現には、ヘルパー不足の抜本的な対応が不可欠だ。
(要約、ここまで)
《筆者の考察》
訪問介護の人材不足は構造的であり、今後も短期的な改善は見込みにくい。
求人倍率は15倍前後、従事者の平均年齢は50歳を超え、若手の新規参入がほとんどない。
待遇改善は叫ばれるものの、介護報酬という公定価格に縛られ、賃金引き上げの余地は乏しい。
現場からは「最低600万円以上の保障が必要」「過酷な労働に見合わない」との声もあるが、現実は厳しい。
このままでは訪問介護の縮小は不可避であり、ヘルパーを頼らずに生き抜く工夫が必要となる。
まず、家族や地域内での助け合いの再構築が欠かせない。
かつて行政が担った「措置制度」は戻らない以上、近隣住民や親族を巻き込んだ支え合いを再評価すべきだ。
町内会やボランティア組織を介した買い物代行や見守りは、すでに一部地域で活用されている。
次に、介護の一部をテクノロジーに委ねる姿勢である。
排泄センサーや見守りカメラ、自動調理機器やロボットの導入で、ヘルパー依存度を下げることが可能だ。
通院はオンライン診療を組み合わせることで頻度を減らせる。
介護ロボットやIoT機器は初期投資が課題だが、長期的には「人に頼まない自立的生活」への転換を促す。
また、介護サービスの選択肢を広げる視点も重要だ。
訪問介護に固執せず、デイサービスやショートステイ、小規模多機能型居宅介護を柔軟に利用する。
利用時間が制限されても、複数のサービスを組み合わせれば在宅生活を維持できるケースはある。
家族がすべて背負う発想から、制度資源を分散活用する発想への転換が必要だ。
さらに、介護を「完全依存」から「部分的依存」へ切り替える工夫も求められる。
要支援レベルなら、掃除・買い物・簡易調理などは可能な限り本人や家族が担い、ヘルパーには入浴や医療的ケアなど必須部分だけを依頼する。
依存度を下げることが、限られた人材を有効活用する鍵になる。
将来的には、外国人材の受け入れ拡大や、ヘルパーの公務員化など抜本策が不可欠だが、短期的には現場の逼迫は続くだろう。
介護保険制度が描いた「介護の社会化」は理念として残りつつも、実態は「家族・地域・技術で補完する」時代に入っている。
結論として、ヘルパー不足を前提に「頼らずに生き抜く」には、
1)地域の支え合いの再生
2)テクノロジーの導入
3)サービスの複合利用
4)依存度を減らす生活設計
の4本柱が不可欠だ。
介護は社会全体で担うべき課題であり、利用者自身も「どう頼らずに暮らすか」を真剣に考える時期を迎えている。
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