2025年8月8日付の読売テレビが、
『自民党が両院議員総会 続投に意欲の石破総理の進退 出席者半数満たず「石破おろし」党全体に広がらず』
と題した見出し記事を報じていました。
記事によれば、両院議員総会への出席者が少なく、いわゆる“石破おろし”が意外にも広がっていないようです。
以下に、この記事を要約し、“石破おろし”が広がっていない理由などを考察しました。
《記事の要約》
参院選で大敗した自民党は2025年8月8日午後、党本部で両院議員総会を開催し、石破首相が続投への理解を求めた。
総会は午後2時半に始まり、非公開で進行。冒頭の公開部分で石破首相は、米国との関税合意の実行に全力を尽くすと述べ、改めて続投意欲を表明した。
出席者数を巡っては、開始直後は少数に見えたものの、森山幹事長によると最終的に253人が出席し、35人が発言したという。
発言の多くは「総裁選を開くべき」との意見で、臨時総裁選開催の是非を総裁選管理委員会に検討させることが決まった。
ただ、両院議員総会には総裁退陣を直接決議する権限はなく、今回も事実上の「ガス抜き」に過ぎないとの見方が強い。総会は午後4時半ごろまで続いた。
(記事の要約、ここまで)
《筆者の考察》
<”石破おろし”が広がらない理由と今後の自民党政権運営>
今回「石破おろし」が大きなうねりにならなかった背景には、自民党の党則と政治力学がある。
まず制度面では、総裁交代を前倒しするには党則6条に基づき、両院議員と都道府県連代表の過半数による要求が必要だが、前例がなくハードルが高い。
さらに内閣不信任案による首相退陣も可能だが、与党分裂のリスクが極めて大きいため、多くの議員は躊躇する。
つまり現行制度では、総裁=首相が退陣を望まなければ強制的に辞めさせるのは困難であり、石破氏の政権基盤は形式的には安定している。
また、参院選大敗の責任を石破氏一人に押し付ければ、派閥間の対立や有権者の反発を招く懸念もある。
与党全体の政策・選挙戦略の問題や、長年の政権運営による疲労感が背景にあるため、「石破降ろし」だけでは党勢回復の解決策にならないという冷めた見方も多い。
加えて、現時点で石破氏に代わる「勝てる候補」が見えず、ポスト石破を巡る合意形成が進まないことも動きを鈍らせている。
今後の政権運営では、自民党は二つの課題に直面する。第一に、党内ガバナンスの立て直しだ。
総裁選の透明化・早期化ルールの検討や、重要政策決定における党員・議員の関与強化が不可欠である。
第二に、参院選敗北の要因分析と政策刷新である。経済再生、少子化対策、安全保障など国民生活に直結する課題で成果を示さなければ、党支持率は回復しない。
特に、石破政権が続く場合は「信任を得た」という姿勢を明確化し、短期的には経済対策と外交課題で結果を出す必要がある。
一方、仮に総裁選が行われる場合でも、単なる顔ぶれの交代ではなく、中長期のビジョンと政権運営体制を提示しなければ、党内外の信頼回復は困難だろう。
結局、自民党が今後も与党として政権を維持するには、石破氏続投か否かにかかわらず、「党全体の責任と再生」という視点からの改革が求められている。
これは「石破おろし」の成否とは別次元の課題であり、そこに踏み込めるかが次の総選挙の帰趨を左右するだろう。
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