HACCPに基づく食品安全マネジメントシステムを構築する上で、「危害要因分析」があります。
「危害要因分析」とは、HACCPにおいて食品に残存する可能性がある危害要因をすべて洗い出す作業のことです。
以下に、簡単に説明します。

《危害要因分析について》
HACCP(Hazard Analysis Critical Control Point:危害分析重要管理点)の中核に位置するのが「危害要因分析」です。
この分析は、食品生産のプロセス全体を通じて潜在的な食品安全のリスクや危害を識別し、それらのリスクが発生する可能性が高いポイントや段階を特定するものです。

具体的には、原材料の収集から最終製品までのすべてのステップでの可能な危害(生物的、化学的、物理的な危害)をリストアップし、その危害が実際に消費者に影響を与える可能性と重大性を評価します。
この評価の結果に基づいて、特定のリスクを管理するための重要な制御ポイント(CCP)を特定します。

《危害要因分析のメリットとデメリット》
◆メリット:

1)システマティックなアプローチ: 
危害要因分析は、食品生産プロセスの各ステップを徹底的に評価するため、未視された危害を発見することができます。

2)予防的対策: 
HACCPは、問題が発生した後の対応ではなく、問題が発生する前にリスクを管理するための予防的手段を提供します。

3)信頼性の向上:
HACCPを適切に実施することで、消費者や取引先に対して食品の安全性を確保していることを示すことができます。

4)コスト削減: 
長期的には、製品回収やリコール、訴訟などのコストを削減する可能性があります。

◆デメリット:

1)初期投資: 
HACCPシステムを導入するための初期の時間とコストが必要です。これには、従業員の研修、新しい設備の導入、文書の整備などが含まれます。

2)継続的なモニタリング: 
CCPの監視と記録保持は、継続的な労力とリソースを必要とします。

3)柔軟性の欠如: 
一度HACCPプランを確立すると、生産プロセスや原材料に変更を加える場合、プランの見直しが必要になることがあります。

以上のように、危害要因分析とHACCPは、食品の安全性を確保するための有効な手段として広く採用されていますが、その実施には一定のコストや労力が伴います。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ877号より)


 

【好評発売中!】

『できるビジネスマンのマネジメント本』(玄武書房)

https://www.amazon.co.jp/dp/4909566066/

 

【よかったらメルマガ読者登録お願いします♪】↓

(パソコンでアクセスしている方)

http://www.mag2.com/m/0000218071.html

(携帯でアクセスしている方)

http://mobile.mag2.com/mm/0000218071.html

Twitter:https://twitter.com/ariga9001