2025年1月11日付の読売新聞オンラインが、
『まるで「罰ゲーム」、業務負担増える管理職なんかなりたくない…価値観一変に公募制導入も』
という見出しの記事を報じていました。
以下に、この記事を要約し、これからの現代人が目指すサラリーマン像と今後、企業が改善すべき管理職登用のあり方について、考察しました。
《記事の要約》
「管理職の魅力を失いつつある現代のサラリーマン事情」
かつて、多くのサラリーマンにとって憧れのポストだった「管理職」。
しかし、最近では「なりたくない」という人が増え、避けられる存在となっています。
その背景には、業務負担の増加や報酬面の魅力低下など、複数の要因があります。
管理職とは、部長や課長など組織の中核を担う役職で、部下をまとめ、目標達成に導く重要な役割を果たします。
しかし、長時間労働が多く、残業代が支払われないケースが多い点もあり、敬遠されがちです。
特に日本では管理職志向が低下しています。2022年のパーソル総合研究所の調査によると、日本で管理職になりたいと答えた会社員はわずか19.8%で、調査対象の18か国・地域で最下位でした。
その理由には、少子高齢化による人手不足、働き方改革による管理職への業務集中、さらには報酬の減少が挙げられます。
厚生労働省によると、2001年に1.8倍あった課長級と一般社員の賃金格差は2023年には1.6倍まで縮小しました。
管理職を避ける人が増える中、企業は新しい取り組みを始めています。
医療機器大手「テルモ」では、2022年から課長級の公募制度を導入し、若手社員の成長意欲を引き出しています。
一方、プラント大手「日揮ホールディングス」では、部長級を3人制に分けて業務を分担し、負担軽減を図る試みが行われています。
専門家は、「価値観の多様化が進む現代だからこそ、管理職の力が求められている」と指摘。
待遇の改善や支援を通じて、管理職が誇りを持って働ける環境づくりが重要とされています。
日本経済の未来は、管理職がいかに生き生きと働ける環境を整えられるかにかかっています。
(記事の要約、ここまで)
《筆者の考察》(理想のサラリーマン像と管理職登用の課題)
<理想とされるサラリーマン像>
現代のサラリーマン像は、従来の「出世や高収入を目指す」から、「仕事とプライベートのバランスを保つ」ことに価値を置く方向へ変化しています。
自由な働き方や裁量、そして精神的な充実感を重視する傾向が強まっています。
また、組織の一員として成果を挙げるだけでなく、自分のスキルや知識を高め、長期的なキャリア形成を目指す人が増えています。
<管理職登用の課題と今後のあり方>
しかし、現在の管理職登用にはいくつかの課題があります。
1)業務負担の増大
管理職が部下の業務を肩代わりしたり、ハラスメントリスクへの配慮が求められる一方で、経営層からのプレッシャーも増しています。
このような二重のプレッシャーが「管理職は罰ゲーム」と揶揄される原因となっています。
2)報酬の魅力低下
近年、管理職の報酬は一般社員との差が縮小しており、責任に見合う対価が得られないと感じる人が増えています。
3)育成と評価の問題
管理職候補への教育が不十分な企業も多く、適正を見極めずに登用するケースが散見されます。
また、業績だけで評価される風潮が続く限り、多様な人材の登用が難しい状況です。
<今後の改善策>
1)柔軟な管理職像の提示
管理職の役割を一人で全て担うのではなく、複数人で分担する仕組み(例:日揮の「3人制」)を導入することで負担を軽減し、働きやすさを向上させることが重要です。
2)報酬制度の見直し
管理職の責任に見合う報酬を提示し、納得感を持たせることが必要です。インセンティブや賞与の配分を見直すことも有効でしょう。
3)教育とキャリア支援の充実
管理職を目指す人材にはリーダーシップやハラスメント対応などの研修を徹底し、自信を持たせることが重要です。
また、失敗を許容する企業文化を育て、挑戦しやすい環境を整えます。
4)多様な価値観への対応
働き方の柔軟性を高め、育児や介護と両立できる管理職制度を整備します。
また、若手や女性の管理職登用を進め、価値観の多様化に対応することも欠かせません。
<結論>
管理職は組織の核であり、日本経済を支える重要な役割を果たします。そのためには、業務負担の軽減や報酬の改善に加え、管理職の魅力を引き出す環境整備が不可欠です。
現代の理想の働き方に対応した柔軟な管理職登用を進めることが、企業の成長と持続可能な未来につながるでしょう。
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