私は、これまでに、「不祥事を止めるISO思考」(2007年)、「仕組みが無くてダメな会社仕組みがあってもダメな会社」(2008年)、「ISOの復権」(2019年)といったISOマネジメントシステムの組織経営への活用に関する書籍を発表しています。
今回は、「ISO思考による従業員満足度向上とは何か」、そして、「取組み方のポイント」について、説明したいと思います。

《ISO思考による従業員満足度向上とは何か》
「ISO思考」による従業員満足度向上は、ISOマネジメントシステムを活用して、職場環境を改善し、従業員のモチベーションとエンゲージメントを高めるアプローチです。
この考え方では、品質マネジメント(ISO 9001)、環境マネジメント(ISO 14001)、職場安全(ISO 45001)などの基準を、従業員が働きやすい職場を創るための手段として利用します。
従業員満足度向上に「ISO思考」を活用することで、以下のような成果が期待できます。

1)職場環境の改善: 
ISO基準に基づくシステマティックなアプローチにより、職場の安全性、衛生環境、作業効率が向上します。これにより、従業員がより快適で健康的な環境で働けるようになります。

2)コミュニケーションの促進: 
「ISO思考」は透明性とオープンなコミュニケーションを奨励します。従業員が組織の目標や変更事項を理解し、自身の意見を共有しやすくなることで、組織全体のエンゲージメントが高まります。

3)スキルとキャリア開発: 
継続的な教育と訓練を通じて、従業員は自己のスキルを向上させ、キャリアの発展を図ることができます。ISOマネジメントシステムは、個々の成長と組織の目標達成を支援するフレームワークを提供します。

4)公平な評価と報酬: 
職務の明確化と評価システムの透明性向上により、従業員は自分の貢献を正しく評価され、公平な報酬を受けることが可能になります。。

《従業員満足度向上の取組み方のポイント》
1)明確な方針と目標の設定: 
従業員満足度向上のためには、組織のトップから明確なコミットメントと具体的な目標設定が必要です。
ISOマネジメントシステムの枠組みを利用して、従業員のエンゲージメントと満足度向上を組織戦略の一部として位置づけます。

2)従業員の声の積極的な収集と反映: 
定期的なアンケート、インタビュー、フォーカスグループを通じて従業員の意見や要望を収集します。
収集したデータを分析し、改善策の計画に活かすことが重要です。

3)教育と訓練の充実: 
従業員がISOマネジメントシステムの価値を理解し、自己の業務にどのように活かせるかを学ぶために、定期的な教育と訓練が必要です。
これにより、従業員は自らのスキル向上と職場での成果向上を図ることができます。

4)健康と安全の確保: 
ISO 45001などの規格に基づいた職場の健康と安全管理を徹底します。
リスクの評価と予防措置の実施により、従業員が安心して働ける環境を提供します。

5)適切な報酬とキャリアパスの提供: 
労働の価値を正しく評価し、適切な報酬と昇進の機会を提供することで、
従業員のモチベーションを維持します。キャリアパスの明確化と将来の成長機会の提示も重要です。

6)継続的な改善とフィードバックの活用: 
PDCAサイクルを適用し、従業員満足度向上のための取り組みを継続的に見直し、改善します。
また、フィードバックを受け入れ、迅速に対応することで、従業員の信頼を得ることができます。

「ISO思考」による従業員満足度向上の取り組みは、単なる福利厚生の提供を超え、組織全体の成長と持続可能性を支える基盤となります。
従業員一人ひとりがその価値を理解し、積極的に関与することで、より強固な組織文化が築かれます。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ908号より)


 

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