2024年12月17日付の東スポWebが、
『てんちむ〝ナイトブラ訴訟〟で「マイナス5億円」の大打撃 控訴は厳しいの見方』
という見出しの記事を報じていました。
この報道は、てんちむさんがプロデュースしたブラジャーについて、ブラジャー効果のみで胸元が大きく見えるとの宣伝でしたが、実は、豊胸手術をしていたことについては、触れていなかったことで、訴訟問題に発展したニュースです。
詳しい経緯は分かりませんが、個人的には、「個人がそこまで大きな責任を負うのか」、「インフルエンサー含めCMタレントはリスクが大きい」と感覚的には感じます。
以下に、この記事を要約し、この「ナイトブラ訴訟」について、考察しました。
《記事の要約》
<ナイトブラ訴訟で3.8億円の賠償命令 豊胸手術を隠した説明義務違反>
人気ユーチューバー・てんちむさん(31)がプロデュースしたナイトブラ「モテフィット」を巡る訴訟で、2024年12月16日、東京地裁はてんちむさんに約3.8億円の損害賠償を命じる判決を言い渡しました。
この判決により、てんちむさんのこれまでの一連の支出総額は5億円に達しました。
判決後、控訴の意向を示していますが、地裁側は2週間にわたる議論を経て判決を出しており、覆すのは困難とみられています。
<訴訟の背景と経緯>
問題の発端は、てんちむさんがプロデュースしたナイトブラ「モテフィット」の宣伝活動でした。商品は大々的なプロモーションにより大ヒットし、メーカーは約37億円を売り上げました。
しかし、2020年にてんちむさんが豊胸手術を受けていたことが発覚。
「ナイトブラによるバストアップ効果」をうたった商品説明が虚偽だとして、購入者から返金を求める声が殺到しました。
返金対応のため、てんちむさんは総額2.2億円をメーカーに送金。
しかし、これが購入者への返金に充てられたか不明だったため、2021年に使途開示を求めてメーカーを提訴しました。
ところが、メーカー側から「豊胸手術を隠した説明義務違反」があったとして反訴され、訴訟は泥沼化しました。
<地裁の判決と今後の影響>
12月16日の判決では、地裁はメーカー側の主張を認め、てんちむさんに3億8457万4504円の賠償金支払いを命じました。
裁判は「併合審理」の形式が取られ、てんちむさんが「原告」となりながらも賠償命令を受けるという異例の結果となりました。
てんちむさんはプロデュースによる収入として約1億円を得ていましたが、返金や賠償金により最終的に5億円の損失を負うこととなります。
ユーチューブなどで年収数千万円以上を稼ぐ成功者として知られていましたが、今回の支払い額はそれを上回る巨額であり、自己破産も視野に入れていると動画内で語っています。
<てんちむの今後と控訴の行方>
代理人の法律事務所は控訴についてコメントを控えていますが、関係者によれば、地裁は判決に向けて徹底的に議論を重ねており、控訴しても結果が覆る可能性は低いとされています。
今回の訴訟は、インフルエンサーやプロデューサーとして活動する個人の責任が改めて問われるきっかけとなりそうです。
(記事の要約、ここまで)
《筆者の考察》
~「ナイトブラ訴訟」に学ぶ、インフルエンサーやCMタレントが気をつけるべき点~
<リスクの背景>
今回の「ナイトブラ訴訟」は、インフルエンサーやタレントが商品の宣伝やプロデュースを行う際のリスクを浮き彫りにしました。
てんちむさんが豊胸手術を受けていた事実を隠し、「ナイトブラによるバストアップ効果」を訴求したことで、消費者に誤解を与えた点が問題視されました。
現代では、インフルエンサーの発言や広告内容が信頼性を重視されるため、一つのミスがブランドや個人の評判を大きく損なう可能性があります。
<インフルエンサーやタレントに起こり得るリスク>
虚偽広告や誇張表現の責任 広告で商品やサービスの効果を誇張したり、根拠のない情報を流布した場合、消費者から返金や損害賠償を求められる可能性があります。
また、景品表示法や薬機法に抵触するケースでは、法的措置を受けるリスクもあります。
ブランドイメージの失墜 虚偽の発言やトラブルが発覚すれば、インフルエンサー自身の信用が失われ、フォロワーの信頼を回復するのは困難になります。
特に企業とのタイアップでの問題は、今後の契約にも影響を及ぼします。
法的トラブルの長期化 一度法的トラブルに発展すると、訴訟が長期化する可能性があります。
今回のケースでも3年以上にわたり裁判が続き、精神的・経済的負担が大きくなることが分かります。
<賠償金や返金対応による経済的リスク>
消費者から返金を求められたり、裁判で賠償金を命じられた場合、想定外の巨額な支出を強いられる可能性があります。
<気をつけるべきポイント>
1)情報の正確性を確認
宣伝や広告を行う際には、商品の効果や内容について事実に基づいた情報を発信することが不可欠です。
特に医療や美容関連の商品では、誇張表現や誤解を招く文言を避けるべきです。
2)自身の経歴や背景を明確に
宣伝内容に影響を与える自身の背景(例:整形手術や健康状況など)を適切に開示することが重要です。隠すことで、消費者から「騙された」と受け取られるリスクを減らせます。
3)契約内容の確認と弁護士の活用
企業とプロモーション契約を結ぶ際には、リスクに備えて契約内容を弁護士に確認してもらうことが推奨されます。
また、訴訟リスクをカバーする保険に加入するのも有効です。
4)信頼性の高いパートナーとの協業
プロデュースや広告を行う際には、信頼できるメーカーやブランドと協力し、事前に商品の品質や安全性を確認することが大切です。
5)法的規制への理解
景品表示法や薬機法など、広告や販売に関連する法律を理解し、それを順守することがリスク回避につながります。
<まとめ>
今回の「ナイトブラ訴訟」は、インフルエンサーが抱えるリスクを改めて浮き彫りにしました。
自身の発言や行動が消費者や社会に与える影響を十分に理解し、慎重に行動することが求められます。
また、商品の宣伝に携わる際には、誠実さと透明性を心がけ、法的リスクに備える姿勢が重要です。
これにより、自身のブランド価値を守りながら、信頼を築く活動を続けることができるでしょう。
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