2024年12月13日付の東奥日報が、
『2023年青森県がん死亡率 20年連続全国最下位』
という見出しの記事を報じていました。
以下に、この記事を要約し、青森県のガン死亡率が悪い理由を考察しました。
《記事の要約》
<青森県、がん死亡率20年連続ワースト 対策が急務>
2023年、青森県の75歳未満年齢調整死亡率が86.1と、前年より2.1ポイント悪化し、20年連続で全国ワーストであることが判明しました。
国立がん研究センターが2024年12月13日に公表したデータによると、男女ともに死亡率が悪化し、全国平均との差はさらに拡大。
全国平均65.7に対し、青森県は20.4ポイント高い数値を記録しました。
<主要がん部位別の詳細>
大腸がん:2.7ポイント増の14.4で再び全国ワースト。
肺がん:16.1とほぼ横ばいながら最下位。
乳がん:13.6で横ばい、引き続きワースト。
肝がん:4.3(0.3ポイント増)、順位は43位に下落。
前立腺がん:3.2(0.8ポイント増)、順位は39位から47位へ。
一方で、胃がん(7.7)や食道がん(3.0)など、一部部位では改善傾向が見られました。
特に卵巣がんは38位から14位に順位が大幅に改善しました。
<専門家の意見と行政の対応>
青森県健康医療福祉部の守川義信部長は、「数値改善が見られる部位もあるものの、特に下部消化管がんの悪化を深刻に受け止めている」と述べ、がん精密検査の受診費用補助の活用を呼び掛けました。
さらに、精密検査を受けやすくする仕組みづくりを進める考えを示しました。
教育委員会は県内他自治体にも点検や対策を要請。
地域全体での取組が急務とされています。
(記事の要約、ここまで)
《筆者の考察》
青森県のがん死亡率が低下しにくい背景には、生活習慣、医療資源の不足、検診受診率の低さが挙げられます。
これを踏まえ、他の自治体が取り組むべきポイントを以下に整理します。
<青森県のがん死亡率が高い要因>
・生活習慣の影響:
喫煙率や飲酒量が全国平均を大きく上回り、肥満率も高いとされます。
これらはがんのリスク要因であり、特に肺がんや肝がんの発症率に影響を与えます。
・医療資源の不足:
専門医の不足や精密検査施設へのアクセスの悪さが指摘されています。
これにより、早期発見が難しくなっています。
・検診受診率の低さ:
定期健診やがん検診の受診率が全国平均を下回っています。
経済的理由や意識の低さが背景にある可能性があります。
<他の自治体が学ぶべき取り組み>
1)住民の意識啓発
・がんのリスク要因や予防方法を広めるための教育キャンペーンを実施する。
・地域に根ざした健康啓発イベントや、地元メディアを活用した情報発信を強化する。
2)検診率向上の仕組み
・経済的負担の軽減:検診費用の補助や無料検診キャンペーンを実施。
・利便性向上:移動型検診車の導入や、オンライン予約システムの整備。
・検診結果フォロー:受診後の精密検査や治療へのスムーズな連携を確保。
3)生活習慣改善の支援
・禁煙・節酒プログラムの導入:特に若年層を対象にした健康教育を推進。
・健康的な食生活の普及:地域の特産品を活用し、ヘルシーな食文化を提案。
・運動習慣の奨励:自治体主導の運動イベントやジム利用補助を展開。
4)医療インフラの強化
・地域医療機関のネットワーク構築とがん専門医の育成支援。
・診療所や地域中核病院への検査設備拡充を進める。
<おわりに>
月並みですが、青森県の事例は、がん対策における課題とその重要性を示しています。
他自治体は、地域特性に応じた柔軟な対策を講じ、住民の健康意識と医療サービスの向上を目指すべきです。
がん死亡率の低下には、行政と住民が一体となった持続的な取組が不可欠です。
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