2024年12月2日付の産経新聞が、
『クマの市街地〝居座り〟相次ぐ 環境保全進み頭数増加、捕獲には「箱わなが最適」と専門家』
という見出しの記事を報じていました。
少し本題から逸れますが、この記事の「専門家」は、「パンク町田氏」。
パンク町田氏の存在を初めて知ったのは、「マツコ有吉の怒り新党」だった気がしますが、当時は、「動物の生態に詳しいおじさんタレント」という扱いだった気がしますが、今では、テレビのワイドショーや新聞の一般紙からもコメントを求められる専門家。
まさに、動物学的な学歴ではなく、「現場経験豊富なたたき上げの動物系専門家」としての地位を確立されていて、凄いなぁ、と思います。
・・・話しを元に戻しますが、以下に、この記事を要約し、考察しました。
《記事の要約》
2024年12月2日、秋田市のスーパー「いとく土崎みなと店」にクマが入り込み捕獲される騒動が発生しました。
店内では、肉売り場付近が荒らされており、専門家は冬眠前のクマが餌を求めて侵入した可能性を指摘しています。
<クマの冬眠と行動パターン>
NPO法人「生物行動進化研究センター」の理事長であるパンク町田さんによれば、クマは11月後半から12月にかけて冬眠に入ります。
その準備として脂肪を蓄える必要があり、餌を求めて市街地に出没することもあります。
今回のクマについて町田さんは「いきなり市街地に現れたわけではなく、数日前から周辺を徘徊し、冬眠場所を探していた可能性がある」と推測。クマは必ずしも洞穴だけでなく、木のまたやくぼみを冬眠場所に選ぶこともあるといいます。
<クマが増える背景>
近年、環境保全が進み、小動物が増加した結果、それを捕食するクマの個体数も増えています。
しかし、植物性の餌となる木の実の不足により、クマが餌を求めて人里に出没するケースが増加しているのが現状です。
その影響で、クマによる被害が多発しています。
環境省の統計によると、令和5年度のクマによる人身被害者数は19道府県で219人に達し、過去最多を記録しています。
また、ヒグマの捕殺数は約1400頭、ツキノワグマは約7600頭に上り、いずれも過去最多です。
<捕獲の方法とリスク>
秋田市のスーパーでの捕獲には、クマを檻の中におびき寄せる「箱わな」が使用されました。
町田さんは「麻酔銃にはリスクが伴う」と指摘しています。過剰投与でクマを死亡させる可能性があるほか、効果が出るまでに20~30分かかり、その間にクマが興奮状態に陥る恐れもあります。
一方で、箱わなはクマや人間に悪影響を及ぼすことなく、安全に捕獲できる方法として最適だといいます。
(記事の要約、ここまで)
《筆者の考察》
クマが人里に出没する背景には、個体数の増加や餌不足が影響しており、これを踏まえた共存のための取り組みが求められています。
以下に、人間がクマとどのように向き合うべきか、また政策的な対応について解説します。
【1. クマとの付き合い方】
(1) 人里との距離を保つ対策
クマが市街地や人里に近づくのを防ぐため、ゴミの放置を避け、果樹や家庭菜園などクマを引き寄せる要因を取り除く必要があります。
また、山林周辺では餌場となる植物を適切に管理し、人間の生活圏に近づかせない環境づくりが重要です。
(2) 人間の意識改革
人間が「自然と共生する」という意識を持ち、クマの生態を理解することが大切です。
例えば、クマが冬眠前に脂肪を蓄えるために行動を活発化させることを認識し、その時期には山中への立ち入りを控えることが安全対策となります。
【2. 政策的対応】
(1) クマの個体管理
過剰な個体数増加を防ぐため、適切な間引き(管理捕獲)を実施することが重要です。
個体数のモニタリングを行い、増加が過剰である場合は地域ごとに捕獲計画を調整します。
(2) 餌資源の確保
森林管理や植生の調整により、クマが必要とする木の実などの植物性資源を増やし、餌不足を解消する努力が必要です。
また、山間部での餌資源の管理は、人里へのクマの移動を減らす効果が期待できます。
(3) クマの出没情報の共有
自治体や地域住民が協力し、クマの目撃情報や出没エリアを迅速に共有するシステムを整えることが求められます。
情報が迅速に伝達されることで、人間側が早めに回避行動を取ることが可能となります。
(4) 安全な捕獲技術の普及
麻酔銃に代わり、箱わななどの安全な捕獲手法を普及させるべきです。
自治体や猟友会が連携して、適切な捕獲方法を地域に根付かせることが重要です。
<結論>
クマが人里に出没する現象は、環境保全や個体数の増加、餌不足など、複合的な要因により引き起こされています。
人間は自然との適切な距離を保つ意識を持ちながら、森林資源の管理や個体数調整などの政策を進めるべきです。
クマと人間が安全に共存できる環境を構築するためには、地域住民と行政が一体となった取り組みが欠かせません。
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