2024年11月10日付の南日本新聞が、
『教員が足りない…広がる発達障害への理解と裏腹にケアは手詰まる。「怠けているだけ」。無慈悲な言葉が孤独を加速させる』
という見出しの記事を報じていました。
以下に、この記事を要約し、発達障害と診断される人が増えている要因などを考察します。
《記事の要約》
<発達障害の子どもたちへの支援と課題>
2024年で特別支援教育がスタートして18年目を迎え、発達障害の子どもたちの支援が広く知られるようになりました。
鹿児島県内でも、支援学級で学ぶ児童生徒は増加し、教員不足や教育の質の問題が浮き彫りになっています。
◆現状と課題
鹿児島市で中学3年生の息子を持つ母親は、学校から「支援学級から外れてもらっていいか」と突然の要請を受けました。
理由は「教員が足りない」とのこと。息子は自閉症スペクトラム障害と診断され、小学校では6年間支援学級に在籍。中学では一部教科で支援を受け、卒業まで支援級にいたいと望んでいましたが、3年生から通常学級のみの授業となり、困難な教科には塾通いが必要になっています。
「ひとりぼっちの時間が増え、孤独を感じる」と本人も語ります。
◆支援体制の限界
鹿児島県では支援学級が多い大規模校や、支援学級が半数を占める小規模校もあり、教室を増やすために内壁で仕切る学校もあります。
県教育委員会は特別支援教育室を課に格上げしましたが、「全体の教員が足りていない」という課題が依然として残っています。
中学校では教科担任制のため、支援学級が増えると複数の教員が必要となる点も課題です。
◆保護者との連携不足
学校関係者によると、保護者の理解が得られず、支援につなげられない児童生徒も少なくありません。
特に、障害を受け入れられなかったり、周囲の目を気にしたりする保護者がいる一方で、親自身が発達障害的な特性を抱えている場合もあります。家庭全体に寄り添う支援体制の整備は、まだ道半ばです。
<発達障害の診断者が増加する理由>
発達障害と診断される人が年々増加している背景には、いくつかの要因が考えられます。
まず第一に、診断基準や認識の向上があります。
以前は理解されていなかった行動や特性が、今では発達障害として認識され、診断されることが多くなりました。
特に、自閉症スペクトラム障害(ASD)、注意欠陥多動性障害(ADHD)、学習障害(LD)などの診断基準が広まり、専門家が適切に評価を行えるようになっています。
また、社会的な認識と教育現場での発見も増加要因です。学校や地域の乳幼児健診でのチェック体制が強化され、早期に発達障害の兆候が見つかるようになっています。
これにより、以前なら見過ごされていた子どもたちが適切な診断を受け、支援を受けやすくなりました。
さらに、情報化社会の進展により、保護者や教育者が発達障害に関する知識を持ちやすくなり、子どもの行動に違和感を覚えた場合に早めに専門機関を訪れるケースが増えています。
これにより、診断の件数は自然と上昇しています。
一方で、社会の変化による影響も考えられます。現代社会は情報や刺激が多く、集中力やコミュニケーション能力がより求められる環境です。これにより、以前は適応できていた特性が目立ち、発達障害として認識されることが増えているともいえます。
<支援学級の教員不足への対応方法>
教員不足に直面している中で、発達障害の子どもを持つ親ができる対応策としては、以下のようなアプローチが考えられます。
1. 学校とのコミュニケーションを強化
まず、学校との密なコミュニケーションを図り、子どもの状況や支援の必要性をしっかり伝えることが重要です。
定期的な面談や連絡帳を通じて、教員と情報共有を行い、理解を深めてもらうことが必要です。
2. 地域の支援団体や専門家との連携
親が地域の支援団体や専門家に相談し、アドバイスを受けることも有効です。例えば、スクールカウンセラーや地域の教育支援センターを活用して、支援の幅を広げることができます。
また、発達障害についての情報を共有し合う親のコミュニティに参加することで、支援のヒントを得られる場合もあります。
3. 自宅でのサポート体制を整える
学校で十分な支援が得られない場合は、自宅でのサポートを工夫することも必要です。
学習補助ツールやオンライン教材を活用し、子どもの理解や興味に合った学習環境を作ることが重要です。
また、適度なリラックス方法や気持ちの切り替え方を教えることで、ストレス軽減にも役立ちます。
4. 行政や教育委員会への働きかけ
教員不足が長期化する場合、行政や教育委員会に対して声を上げることも選択肢です。
保護者が意見を集めて要望書を提出するなど、制度の改善を促すアクションを取ることで、問題解決に向けた動きを後押しすることができます。
5. 子どもの自主性を育てる
最後に、子ども自身が自分の特性を理解し、困ったときに助けを求める力を育むことも大切です。
自己肯定感を高めることで、学校生活においても安心感を持てるようになります。
親がサポートしながら、子どもが少しずつ自己管理を身につけるプロセスを見守ることが求められます。
これらの方法を通じて、親は子どもが学校での困難を乗り越えられるよう支援することができます。教員不足の課題に直面しながらも、親が積極的に行動し、支援体制を補完することが求められるでしょう。
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