ISO45001(労働安全衛生マネジメントシステム規格)では、「労働安全衛生機会(Occupational Health and Safety Opportunity)」について、「労働安全衛生パフォーマンスの向上につながり得る状況または、一連の状況」と定義しています。

今回は、「データベース業」の事例について、考察します。

《データベース業の労働安全衛生機会》
「労働安全衛生機会(Occupational Health and Safety Opportunity)」は、職場の健康と安全を改善し、従業員の福祉を高めるために活用できる機会を意味します。
データベース業界においても、特有の業務環境とそれに伴うリスクが存在します。
以下に、データベース業における労働安全衛生機会を具体的に説明します。

1. エルゴノミクス(人間工学)の改善
データベース業界の従業員は長時間デスクワークを行うことが一般的で、これが筋骨格系の障害を引き起こす原因となります。適切なエルゴノミクスの採用は、このようなリスクを軽減する大きな機会です。調節可能な椅子、適切な高さのデスク、足置き、そして良好な照明設備の提供が求められます。また、作業間隔でのストレッチや短い休憩を奨励することも効果的です。

2. 視覚負担の軽減
コンピュータ画面を長時間見続けることは、視覚疲労や目の問題を引き起こすことがあります。画面の適切な位置設定、反射防止スクリーンの使用、定期的な視力検査、作業環境の照明調整は視覚負担を軽減します。また、20-20-20ルール(20分ごとに20秒間、20フィート先を見る)などの視覚衛生習慣を推進することも有益です。

3. メンタルヘルスのサポート
データベース業務は締め切りやプロジェクトの要求によるストレスが伴うことが多いです。従業員のメンタルヘルスをサポートするためのプログラムを提供することは、生産性と職場の満足度を高める重要な機会です。カウンセリングサービス、ストレスマネジメントセミナー、レクリエーション活動の提供が有効です。

4. 災害対策と事故防止
データセンターやオフィスでの火災、電気事故、データ損失は、業務に甚大な影響を及ぼす可能性があります。消火設備と警報システムの最適化、定期的な安全点検、バックアップと災害復旧計画の策定は、これらのリスクを軽減するための重要な機会です。

5. 技術と自動化の活用
最新の技術と自動化の導入は、作業効率を向上させるだけでなく、従業員の安全と健康を保護するためにも有効です。例えば、データの自動バックアップシステムやセキュリティの自動化は、重大なデータ漏洩や損失のリスクを減少させ、従業員の作業負担を軽減します。

6. 健康促進プログラムの推進
長時間の座り作業は従業員の健康に悪影響を及ぼす可能性があるため、積極的な健康促進プログラムの導入が求められます。適切な運動プログラムの提供、健康的な食事オプションの提供、疾病予防のためのワクチン接種プログラムなどが挙げられます。

これらの機会を積極的に活用することで、データベース業界における労働安全衛生を向上させることができます。これにより、従業員の健康と安全が保護され、結果として業務の効率性と職場の全体的な満足度が向上します。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ915号より)

 

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