2024年11月6日付の読売新聞オンラインが、
『高齢者の労災防止へ職場環境など整備、厚労省が法改正へ…昨年の死傷者は4万人弱と8年連続で最多を更新』
という見出しの記事を報じていました。
以下に、この記事を要約し、考察しました。
《記事の要約》
急増する高齢者の労働災害を防ぐため、厚生労働省は企業に対して、高齢者の労災対策を強化する方針を固めました。
2025年の通常国会に向けて労働安全衛生法の改正案を提出することを目指しています。
昨年、65歳以上の労働者は914万人に達し、20年前からほぼ倍増しています。
これに伴い、高齢者の労災事故も増加しており、特に転倒事故が多発しています。
具体的には、ぬれた床での滑り事故や段差でのつまずき事故が目立ち、加齢による身体機能の低下が原因とされています。
全労働者のうち60歳以上の割合は18.7%ですが、労災に遭遇したのはそのうちの29.3%に上ります。
男性では発生率が30歳代の約2倍、女性では約4倍となっており、休業期間も長期化しています。
2020年には高齢者の労災防止指針を策定した厚労省ですが、昨年の調査で対策を講じた企業は19%にとどまりました。
多くの企業が「60歳以上の労働者は健康である」と認識しており、「必要性を感じない」とする回答も23%に上ります。
今後、政府は労働政策審議会を通じて、高齢者労災対策の法制化を進め、企業による取り組みを促す方針です。
少子高齢化と人手不足の問題が深刻化する中、高齢者の労働市場への参加をさらに拡大する必要があります。
2040年には全労働者の30%が高齢者に達すると予想されており、迅速な対策が求められています。
(記事の要約、ここまで)
《筆者の考察》
〈政府の想定と企業の取り組みについて〉
政府は、今後、高齢者の労働災害を減少させるために、労働安全衛生法の改正を進め、企業に高齢者労災対策の努力義務を法律で明確に定める方針です。
これにより、企業は法的な責任を持って高齢者の安全対策を強化する必要があります。
政府は、高齢者が安全に働ける環境を整えることで、労働力としての高齢者の活用を促進し、少子高齢化に伴う労働力不足を緩和することを目指しています。
〈今後予想される企業の取り組み〉
1)職場環境の改善:
段差の解消や滑り止めの施工、安全手すりの設置など、転倒を防ぐための物理的環境の改善。
高齢者が無理なく休めるように涼しい休憩場所の設置。
2)教育と訓練:
高齢者特有の健康リスクに対する意識向上と教育プログラムの提供。
定期的な健康診断とそれに基づいた個別の作業配置。
3)技術の導入:
労働の自動化やロボット技術を活用して、高齢者の負担を軽減する技術の導入。
ウェアラブルデバイスを用いた健康管理や危険警告システムの導入。
政府としては、これらの対策をサポートするために、補助金や税制優遇などのインセンティブを提供し、企業の負担軽減と対策の推進を図ることも考えられます。
これにより、企業は高齢者雇用の拡大を進めるとともに、その安全を確保し、社会全体の労働力不足問題にも対応することが可能となります。
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