2024年10月1日付の読売テレビが、

『【速報】関西電力送配電 有害物質基準値超えの変圧器に20年以上対応せず…幹部が「隠ぺい」指示も 2018年台風で発覚と偽り国などに報告』

という見出しの記事を報じていました。

この記事の見出しに記載されている「有害物質」とは「PCB(ポリ塩化ビフェニル)」のことで、体内に吸収されると、発がん性や精子や卵子の以上により奇形児が生まれる可能性が高いと言われています。

以下に、この記事を要約し、考察しました。

 

《記事の要約》

関西電力送配電は2024年10月1日、1998年ごろから有害物質「ポリ塩化ビフェニル(PCB)」を含む柱上変圧器の存在を把握していたにも関わらず、これを適切に対応せず、2018年の台風による大規模停電の際に初めて発見されたと虚偽報告していたことを明らかにしました。
PCBは体内に蓄積されると様々な症状を引き起こす可能性があり、現在その使用は禁止されています。
関西電力は、2027年3月末までに含有する製品の処理が義務付けられています。

 

1990年に国の指示に基づき、汚染された変圧器の除染を進めていたものの、調査で基準値を超える数値が確認されたにも関わらず、対応はされませんでした。
2018年の台風により変圧器が損傷し、基準値を超えるPCBが再確認された後、変圧器の交換方針が決定されました。
しかし、関連責任者は「隠した方が良い」と発言し、国や大阪府に対して虚偽の報告を行いました。

 

この問題は、社外相談窓口に相談があったことから明らかになり、弁護士による調査が行われています。
関西電力送配電はこの事件を重大なコンプライアンス違反と捉え、客観的な調査と原因究明、改善策の講じることを約束しました。

(記事の要約、ここまで)

 

《筆者の考察》

関西電力送配電が長年にわたってPCB(ポリ塩化ビフェニル)を含む変圧器の存在を隠蔽していた問題は、企業文化とコンプライアンスの重要性を浮き彫りにしています。

PCBは環境や人の健康に悪影響を及ぼすことが知られており、その処理は法令によって厳格に規定されています。

このような背景を踏まえた上で、関西電力はどのような社内文化や体制、マネジメントシステムを構築すべきかを考察します。

 

〈背景と現状〉

関西電力は、1998年にPCBが含まれている変圧器の存在を認識していたにも関わらず、この情報を公にしなかったとされています。

さらに、2018年の台風による電柱倒壊時に再度PCBを確認した後も、事実を隠蔽し続けたと報告されています。

このような行動は、企業のコンプライアンス体制と透明性に重大な問題を抱えていることを示しています。

 

1)企業文化の変革

・透明性の強化

関西電力は、全てのオペレーションで透明性を高める必要があります。
これには、内部の問題が発覚した際の迅速な公表と、関連情報の詳細な共有が含まれます。透明性を高めることで、信頼性が向上し、同様の問題が再発するリスクを減少させることができます。


・コンプライアンス教育の徹底

全ての社員に対する定期的なコンプライアンス研修を実施し、特に上層部に対してはその責任と影響力に応じた教育が求められます。
PCBのような危険物質の扱いに関する法令を理解し、遵守する文化を確立することが重要です。

 

・内部告発システムの充実

効果的な内部告発システムを設置し、匿名での報告が可能とすることで、社内の不正や問題を早期に発見し、適切な対応ができるようにします。

このシステムは、社員が安心して利用できる環境を提供する必要があります。

 

2)マネジメントシステムの改善

・リスク管理の強化

組織全体でリスク管理を徹底し、特に環境リスクやコンプライアンスリスクに対しては、専門のチームを設けて管理します。
定期的な監査とリスク評価を行うことで、問題を未然に防ぐ体制を整えるべきです。

 

・情報共有の促進

組織内での情報共有を促進し、部門間での連携を密にすることが必要です。

これにより、一部の部門に知識や情報が集中することを防ぎ、組織全体としての問題解決能力を高めます。

 

・技術的な改善と更新

旧式の機器や技術の更新を進め、特にPCBを含む設備は早急に適切な処理を行い、新しい技術への置き換えを行います。

これにより、環境へのリスクを最小限に抑えることができます。

 

関西電力は、これらの改善策を通じて、信頼を回復し、持続可能な企業運営を目指すべきです。

 

【好評発売中!】

『できるビジネスマンのマネジメント本』(玄武書房)

https://www.amazon.co.jp/dp/4909566066/

 

【よかったらメルマガ読者登録お願いします♪】↓

(パソコンでアクセスしている方)

http://www.mag2.com/m/0000218071.html

(携帯でアクセスしている方)

http://mobile.mag2.com/mm/0000218071.html

Twitter:https://twitter.com/ariga9001