2024年9月7日付の山陰中央新報が、

『境港市のバスが乗車拒否 待ち客多数、半分断る X投稿で発覚、運転手を厳重注意処分』

という記事を報じていました。

以下に、この記事を要約し、考察しました。

 

《記事の要約》

境港市が運行するコミュニティバス「はまるーぷバス」で、運転手による乗車拒否があったことが6日、明らかになった。
この事実は市議会の経済厚生委員会で認められ、該当の運転手には厳重注意の処分が下された。

 

問題の発端は、X(旧ツイッター)上での乗車拒否の投稿であり、市がこれを受けて調査を行っていた。
事態が発生したのは8月9日、境港市竹内団地にある夢みなとタワーバス停で、約30人の乗車希望者がいたにも関わらず、運転手は定員27人のバスに15人のみ乗車を許可し、残りを断った。
調査の結果、バスは15人を乗せた時点でまだ定員に達していなかったことが判明している。

 

運転手は次のバス停にも人がいることを理由に、夢みなとタワーバス停での乗車を制限したと説明。
また、乗車拒否の際に怒鳴ったとの書き込みもあったが、運転手はこれを否定している。

 

市は今後、乗車希望者を全員乗せられない場合に備え、運行会社に事務所からの指示を仰ぎ、臨時便の運行などの対策を取るよう確認した。
運行会社は、全従業員を対象にコンプライアンス研修を実施する予定である。

 

観光振興課の片岡直人課長は「公共サービス提供者としての自覚を再認識し、今後の業務改善に生かす」とコメントしている。

(記事の要約、ここまで)

《筆者の考察》
境港市が運行するコミュニティバス「はまるーぷバス」での乗車拒否事件は、公共交通の利用が多様化している現代において、運転手の判断や対応、市の運営方針に新たな課題を提示しています。
この事例を通じて、運転手が取るべき適切な対応と、境港市に求められる対策について考察します。

 

〈運転手の適切な対応〉

運転手は、利用者が多数いる状況での乗車管理に直面した際、定員を超える乗車を防ぐ責任がありますが、一方で公平なサービス提供も求められます。
今回の件では、運転手は一部の乗客のみ乗車を許可し、残りを拒否したことで問題が発生しました。
適切な対応としては、以下のような手順を踏むべきだったかもしれません。

 

1)明確な基準の設定と周知:
乗車を許可する基準を明確にし、それを乗客に事前に明示することが必要です。例えば、先着順や定員に達した時点での対応など、透明なルールが求められます。

 

2)状況の公正な説明と対話:
乗車できない乗客に対しては、状況を丁寧に説明し、理解を求める姿勢が重要です。感情的な対応ではなく、客観的な事実に基づく説明が求められます。

 

3)代替手段の提案:
乗車できない乗客に対しては、次のバスの時間を案内する、タクシーの手配を助けるなど、代替手段の提供を検討するべきです。

 

〈境港市の対策〉

境港市としては、以下のような長期的な対策を講じることが求められると考えます。

 

1)バスの増便検討:
特に観光シーズンやイベント時には、乗客数が増加することを見越して、臨時便の設定やスケジュールの見直しを行うことが望まれます。

 

2)利用者のデータ分析と対応:
乗客のデータを分析し、どの時間帯にどのバス停で乗客が増えるかを把握し、それに基づいて適切な対応を計画することが重要です。

 

3)運転手教育の強化:
定期的な研修を通じて、顧客対応のスキル向上を図るとともに、非常時の対応プロトコルを教育することが必要です。

 

4)コミュニケーションチャネルの充実:
利用者からのフィードバックを容易に受け取れる仕組みを整え、市民の声が直接反映される体制を構築することが望まれます。

 

地域住民と観光客のバランスの考慮: 地域住民と観光客双方のニーズを考慮した運営方針を定め、公平かつ効率的な運行が行えるよう計画を立てる必要があります。

 

この件を契機に、境港市はコミュニティバスの運行において、より一層のサービス向上と利用者ニーズの充足を図ることが求められています。
運転手の適切な対応と市の綿密な計画により、市民と観光客の双方が満足できるサービス提供が実現可能です。

 

それにしても、今の時代、サービスの利用者は、「不満」や「意見」があれば、XなどSNSで、すぐに世の中に情報発信することができ、ケースによっては、情報が拡散し、このように「騒動」となります。
個人的には、こうしたXの投稿について、いわゆる「バズった」としても、私たち一般市民も指摘された当事者(運転手、コミュニティバス運営会社、境港市)も「ネガティブな騒動とせず、利用しやすいサービスの改善のための良いきっかけ」と捉えることが大事だと思います。

 

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