2024年8月9日付のスポニチアネックスが、

『萩原智子さん 競泳日本代表に対する意見に対する声に困惑「私のこの意見も誹謗中傷と言われてしまうのか」』

という見出し記事を報じていました。

以下に、この記事を要約し、考察しました。

 

《記事の要約》

元競泳女子で、2000年シドニー五輪代表の萩原智子さんが、2024年8月9日に自身のX(旧ツイッター)で、パリ五輪での競泳日本代表の成績について意見を述べ、その反響に困惑しています。

 

萩原さんは、日本代表チームに対して「収穫や反省、課題の分析」を促し、「チーム全体での対話」を強調しました。
彼女は、チーム内の年齢や上下関係に関わらず、オープンな議論が必要であり、第三者の立ち会いの下で安全な環境を保証することが重要だと提言しました。
これによってチームは真の意味での再スタートが可能になると述べ、さらに適切なリーダーの選出も必要だと付け加えました。

 

この投稿に対し、萩原さんは一部から「誹謗中傷ではないか」との反応があったと述べ、自らの意見が誤解されていることに困惑を感じたと記述しています。
彼女は、批判的な意見が自身にも向けられた経験から、アスリートたちが努力しても望む結果が得られない時があること、そしてそうした時にも支持してくれる人々の存在の大切さを語っています。

 

彼女は、出場したシドニー五輪で4位に終わった自身の経験を引き合いに出し、メダル獲得の有無にかかわらず人々からの受け入れが自らを支えたと述べ、アスリートが結果だけで評価されず、前向きに活動できる環境が必要だと訴えています。

 

反応としては、「元日本代表としての率直な意見」と評価する声や、「競泳界の将来を心配するのは当然」との支持が多く見られ、彼女のコメントが「叱咤激励」と受け止められていることが多いことが示されました。これらの反響から、萩原さんの意見が多くの支持を得ていることが伺えます。

(記事の要約、ここまで)

 

《筆者の考察》
筆者自身も、2023年開催の世界水泳福岡大会の結果から、パリ五輪における日本競泳陣の「苦戦」は想像できたし、結果的に「メダル1個(男子400m個人メドレーの銀)」となり、「かつて、多くの種目で表彰台が狙えた日本の黄金期」を取り戻すために、日本水連は、“根本原因をしっかり分析して欲しい”と感じていたので、萩原智子さんの提言には、大賛成です。

したがって、この萩原さんの提言を「誹謗中傷にしか聞こえない」という意見には、“こんな風に建設的な意見までもが中傷と言われたら、誰も、何も言えなくなるじゃん”と首をかしげてしまいました。
そこで、「叱咤激励」と「誹謗中傷」の違いをまとめてみました。

 

〈叱咤激励と誹謗中傷の違い〉

叱咤激励と誹謗中傷は、その意図と効果において明確に区別されます。

どちらも他人に対する発言や行動が含まれますが、その目的と受け手に与える影響が大きく異なります。

 

【叱咤激励】

叱咤激励は、主にポジティブな成果を目指して他人を励ますことです。
これには、相手の潜在能力を引き出すために厳しく励ます「叱咤」や、勇気づけるための「激励」が含まれます。叱咤激励の主な特徴は以下の通りです。

 

目的: 相手の成長や成功を促進すること。

方法: 構築的なフィードバックや励ましの言葉を用いる。

効果: 受け手は刺激を受け、挑戦や改善への動機付けが強化される。

環境: 信頼関係の中で行われることが多い。


【誹謗中傷】

一方で、誹謗中傷は他人を不当に非難したり、名誉を傷つける行為を指します。
ここには事実無根の批判や、悪意に基づく攻撃が含まれます。誹謗中傷の特徴は以下になります。

 

目的: 相手を傷つける、非難する、または不名誉にする。

方法: 虚偽の情報、過度な批判、人格攻撃を使う。

効果: 受け手は精神的にダメージを受け、自尊心や名誉が損なわれる。

環境: 公の場やプライベートな環境でも、無差別に行われることがある。


【結論】

つまり、叱咤激励と誹謗中傷の違いは、その意図、方法、そして効果によって明確に区分されます。
叱咤激励は建設的であり、相手の成長を目指しますが、誹謗中傷は破壊的であり、相手に損害を与えることを目的としています。
そのため、コミュニケーションを取る際には、その発言がどのカテゴリーに属するかを自覚し、適切な方法で伝えることが重要です。

 

私自身も、HPのお問い合わせやブログのコメント欄、担当した仕事に対する顧客アンケート、担当業務に対する定期的な評価・・・など、色々なシーンで「他人から評価される機会」があります。

もちろん、その中には、アンケートや評価結果を読むと、心が折れるようなものもあり、目を背けたくなるような内容もあります。

しかし、その多くは、事実に基づく感想や建設的な意見なので、自分自身がそれらをどのように捉えて、プラスに活かせばよいものなので、「キツいなぁ」、「それは事実誤認だなぁ」と思うものがあっても、「誹謗中傷」だとは決して思いません。

 

家庭や地域、学校教育など、成人になるまでの人間の成長過程において、「相手を思いやる気持ちを育む」のと同時に、「感想や議論は、建設的に意見を出し合う」という文化を当たり前にしていくことが日本人には、もっと必要なのかもしれません。

 

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