サービス業の組織がISO45001を構築する場合、「危険源の特定のイメージが湧かない」という方が意外と多いです。

そこで、今回は、「研究機関(農業試験場)」について、危険源や法規制の事例を挙げてみたいと思います。

 

《研究機関(農業試験場)》における危険源の事例》

a. 化学物質の取り扱い:

農薬や肥料、実験で使用される化学物質による健康リスク。

 

b. 機械や工具の使用:

農業機械や実験装置の操作中に発生する怪我のリスク。

 

c. 実験中の事故:

実験過程での化学反応や生物学的材料の取り扱いに関連する事故。

 

d. 環境への曝露:

過度の日光曝露や不適切な天候条件下での作業による健康問題。

 

e. 生物学的リスク:

害虫や病原体の取り扱いによる感染の危険。

 

《危険源に対する管理策の事例》

a. 化学物質の安全管理:

適切な保護具の使用、化学物質の安全な取り扱い方法のトレーニング、適切な換気システムの確保。

 

b. 機械や工具の安全使用:

安全な操作トレーニング、定期的な機器のメンテナンス、必要な保護具の着用。

 

c. 実験の安全対策:

実験プロトコルの厳格な遵守、適切な安全装置の使用、緊急対応計画の策定。

 

d. 環境曝露の防止:

適切な服装の着用、日焼け止めの使用、熱中症防止策。

 

e. 生物学的リスクの管理:

適切な生物安全レベルの維持、害虫・病原体の安全な取り扱い手順の実施。

 

《研究機関(農業試験場)に関連する法規制の事例》

a. 労働安全衛生法(労安法):

労働者の安全と健康を確保するための基本法律です。農業試験場では、実験室や野外での作業環境の安全性の確保、労働者への安全衛生教育、適切な保護具の提供、緊急事態対応計画の策定などが要求されます。

 

b.労働基準法:

労働時間、休憩、休日、残業などに関する労働条件の基準を定める法律です。農業試験場の職員も、適切な労働時間の管理や休息時間の確保に関して、この法律の基準を満たす必要があります。

 

c.化学物質の取り扱いに関する規制:

農業試験場で使用される肥料、農薬、実験用化学物質などの安全な取り扱いと保管に関する規制が含まれます。これは労働者の健康を守るために重要です。

 

d.廃棄物処理法:

実験や研究活動から生じる廃棄物の適切な処理に関する法律です。廃棄物の適切な分別、運搬、処理に関するルールが定められています。

 

e.感染症法及び植物防疫法:

研究活動中に取り扱う可能性のある感染症や害虫、病原体に関する予防と対策に関する法律です。特に農業試験場では、生物安全と防疫措置が重要となります。

 

《危険源に対する研究機関(農業試験場)の緊急事態想定と対応手順の事例》

a. 化学物質漏洩:

漏洩が発生した場合、直ちに該当エリアを封鎖し、適切な除去作業を実施、必要に応じて医療支援を求める。

 

b. 機械や工具による怪我:

事故が発生した場合、直ちに応急処置を施し、必要に応じて医療機関への受診を勧める。

 

c. 実験中の事故:

事故発生時、直ちに実験を中断し、応急処置を施し、必要に応じて医療機関への受診を勧める。

 

d. 環境曝露による健康問題:

熱中症や日射病などが発生した場合、被害者を涼しい場所に移動し、必要な応急処置を行い、医療支援を求める。

 

e. 生物学的リスクによる事故:

感染や被害が発生した場合、速やかに医療機関での治療を受け、必要な隔離措置を講じる。

 

以上が、「研究機関(農業試験場)」におけるISO45001に基づく危険源、危険源に対する管理策、法的及びその他の要求事項、緊急事態の想定と対応手順に関する一部の事例です。

マネジメントシステム構築や審査、指導の際の参考になれば幸いです。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ887号より)

 

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