2024年5月8日付の「まいどなニュース」が、

『超熟に小動物混入、食パン10万個回収 敷島製パン「深くお詫び」購入者に返送呼びかけ』

という見出しの記事を報じていました。

以下に、この記事を要約し、考察しました。

《記事の要約》
敷島製パンは2024年5月7日、パスコ東京多摩工場で生産した「超熟山型5枚スライス」に小動物と思われる異物が混入していたことを発表しました。
異物が混入した商品はすでに回収されましたが、同じラインで生産された「超熟山型5枚スライス」と「超熟山型6枚スライス」の計10万4千個を予防的に回収することを決定しました。

 

回収対象の商品と詳細は以下の通りです:

商品名:

・超熟山型5枚スライス(JANコード 4901820162922)

・超熟山型6枚スライス(JANコード 4901820357380)

・消費期限:2024.5.7から2024.5.11

・製造所固有記号/管理記号:+P1/A・・(3桁の英数字がAで始まるもの)

・回収対象数:10万4千個

・販売エリア:茨城県、群馬県、埼玉県、山梨県、新潟県、神奈川県、静岡県、千葉県、東京都、栃木県、福島県、青森県、岩手県、宮城県、山形県

 

敷島製パンは健康被害の報告は出ていないと述べる一方、「お客さまや関係者の皆様にご迷惑をおかけし、深くお詫び申し上げます」と謝罪し、原因究明と対策強化のため、当面の間、該当ラインの操業を停止する対応を取っています。

 

購入者に対しては、商品回収専用フリーダイヤル(0120-001-781、平日9時から17時受付)を設け、着払いでの返送を呼びかけています。
(記事の要約、ここまで)

 

《筆者の考察》

〈異物混入の原因と背景〉

食品を取り扱う施設では、異物の混入リスクを完全に排除することは困難です。工場や流通経路は複雑であり、小動物や昆虫の侵入経路をすべて遮断することは現実的に不可能です。特に工場が古い場合や、複数の工程で大量生産する場合、衛生管理に関するリスクは増大します。施設内部や工程の中で侵入した虫や動物の一部が、焼成や包装の各段階で商品に混入してしまう可能性が指摘されています。以前敷島パンで勤務していた方の証言からも、かつての出荷場の衛生管理には問題があったことがうかがえます。

 

〈対策と企業の対応〉

異物検知器は万能ではないため、異物混入のリスクに備えた定期的なチェックと危機意識の維持が重要です。今回の敷島製パンの対応について、回収呼びかけと公表が速やかに行われたことは評価できます。異物混入は衛生管理に徹底した工場でも発生する可能性があるため、再発防止策を徹底することが重要です。製造ラインの停止や対策強化は妥当な措置であり、製造現場全体で衛生意識の向上を図ることが求められます。

 

〈消費者の視点と注意点〉

異物混入に遭遇した場合の消費者心理には、不快感と不安が生じます。製品に異物が含まれているかもしれないとの懸念から食べること自体を避ける人もいます。しかし、これを機にすべての製品を不安視するのではなく、今回のような異物混入問題が起きた場合に企業が迅速に対処するかどうかが、信頼性の判断材料となります。消費者としては、公表された回収情報を確認し、フリーダイヤルなどで適切に返送や問い合わせを行うことで、企業と連携した対応が可能です。

 

食品製造に関しては、完全な衛生を求めるのは理想的ではあるものの難しいため、今後も企業が積極的に情報を開示し、適切な対策と信頼を築く努力が求められます。

 

〈ISO22000認証〉
敷島製パン株式会社は、パスコ東京多摩工場を含めて、食品安全マネジメントシステム規格(ISO22000)を2007年に取得しています。
今回の報道を受け、敷島製パンを認証した認証機関は、調査を実施し、場合によっては、臨時審査を実施して、敷島製パンがこの問題に対して取った一連の処置や仕組みの改善の有効性を評価する仕組みになっています。

認証機関の対応にも注目したいと思います。


 

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