個人的には、環境マネジメントシステム(ISO14001)の審査やコンサルティングに関わるようになって、久しい。

大昔は、サービス業における環境側面は、いわゆる事務所で生じる「紙ゴミ電気」系ばかり。

最近では、「環境側面」の考え方が世の中に浸透し、そのようなケースは少なくなりました。今回は、「地方自治体(市役所)」について、環境側面(できるだけ業種固有のもの)や法規制の事例を挙げてみたいと思います。

 

《地方自治体(市役所)における環境側面の事例》

・建物のエネルギー使用:電力、ガス、水などの使用。

・オフィスの排出物:紙、食品廃棄物、電子機器など。

・公共交通:市が運営するバス、トラム、地下鉄の運用。

・公園管理:緑地の管理と維持。

・道路整備:道路、歩道の建設と修理。

・電子廃棄物:使用済みのコンピューターやオフィス機器の廃棄。電子廃棄物:使用済みのコンピューターやオフィス機器の廃棄。

・電力供給:市役所建物や公共施設への電力供給。

・建築物管理:市役所の建物や公共施設の管理。

・緊急事態対応:自然災害や事故への対応。

・公共施設の清掃:公共トイレ、公園、市民センターなどの清掃。

・水質管理:市内の水道水の管理。

・建築プロジェクト:新しい建物や公共施設の建設。

・騒音管理:公共の場での騒音の管理。

・照明:ストリートライトや公共施設の照明。

・廃棄物管理:市民から収集されるゴミの処理。

 

《有益な環境側面の事例》

1)省エネ設備の導入:建物や公共施設に省エネ設備を導入する。

2)再生可能エネルギーの利用:ソーラーパネルや風力発電の導入。

3)リサイクルプログラム:市民に対するリサイクル教育とリサイクルプログラムの提供。

4)公共交通の強化:公共交通機関の利用を奨励し、自動車の使用を減らす。

5)グリーンスペースの保護:公園や自然環境の保護と維持。

 

《地方自治体(市役所)に関連する法規制の事例》

◆廃棄物処理法:

地方自治体は、廃棄物の収集、処理、再利用などに関する規制を設けています。

これには、一般家庭から排出されるごみの分別収集や、産業廃棄物の適切な処理などが含まれます。

また、不法投棄の防止や、リサイクルの推進にも力を入れています。

 

◆温室効果ガス排出削減目標:

各地方自治体は、国の温室効果ガス排出削減目標に則って、独自の削減目標を設定しています。

これには、公共施設の省エネルギー化、再生可能エネルギーの普及促進、市民のエコライフの推進などが含まれます。

 

◆騒音規制法:

市街地や住宅地での生活騒音(工事音、生業音、アルコールによる騒音など)を規制する法律です。

地方自治体は、時間帯や騒音レベルに応じた規制を設けて、市民の生活環境を保護しています。

 

◆水質汚濁防止法:

地方自治体は、公共の水域の水質維持・改善を目指して、排水規制や水質検査を行っています。具体的には、家庭排水や工場排水の適切な処理、農薬や肥料の使用制限などがあります。

 

◆自然環境保全法:

地方自治体は、特に貴重な自然環境を保護するために、自然公園の設定や野生生物の保護、開発規制などを行っています。これにより、生物多様性の維持と地域の自然環境の保全が図られます。

 

《地方自治体(市役所)の緊急事態の事例》

◆地震発生時:

地方自治体は地震発生時の災害対策本部の設立や避難所の設定を想定し、対応手順を計画します。

地震発生直後は、専門家の助言に基づき災害情報の収集と分析、避難命令の発令、救急医療や生活支援の提供を行います。

 

◆大雨・洪水時:

大雨や洪水による被害を防ぐため、地方自治体は河川の氾濫や土砂災害のリスクを評価し、必要に応じて避難命令を発令します。

また、救助活動、避難所の設営、生活支援などの対応手順を定めています。

 

◆インフルエンザ大流行:

大規模なインフルエンザの発生を想定し、地方自治体は感染拡大防止策や医療提供体制の強化を計画します。

これには、一般市民向けの予防接種の推奨、学校や公共施設の閉鎖、医療機関の対応体制強化などが含まれます。

 

◆核・放射能災害:

原発事故や放射能漏洩事故を想定し、地方自治体は避難計画や放射能汚染対策を策定します。

必要に応じて避難指示を発令し、放射線量のモニタリング、健康管理、情報公開などを行います。

 

◆大規模なインフラ故障:

大規模な停電や上下水道の故障を想定し、地方自治体は代替サービスの提供や修復作業の手順を定めています。

また、市民への情報提供と安全確保、生活必需品の配給などを行います。。

 

以上が、「地方自治体(市役所)」におけるISO14001に関連する「環境側面」、「有益な環境側面」、「法的及びその他の要求事項」、「緊急事態の想定と対応」の具体的な事例です。

マネジメントシステム構築や審査、指導の際の参考になれば幸いです。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ863号より)


 

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